週刊NY生活 デジタル版

編集後記 みなさん、こんにちは。今年もあと、残すところ1か月半余りとなりました。毎年この時期になると、新聞各社は新年号の制作に追われています。毎年、スロースターターな、出遅れ感のある本紙、週刊NY生活ですが、新年号の企画の骨子がまとまりまし...
11/14/2025

編集後記 みなさん、こんにちは。今年もあと、残すところ1か月半余りとなりました。毎年この時期になると、新聞各社は新年号の制作に追われています。毎年、スロースターターな、出遅れ感のある本紙、週刊NY生活ですが、新年号の企画の骨子がまとまりました。2026年は、ニューヨークでは市長も新しい顔になり、日本を離れて暮らす在米日本人の生活にもさまざまな変化が現れる年になりそうです。連邦政府の外国人に対するビザの発給制限、米国内の物価の上昇、相互関税の導入による日本からの輸入商品、日本食料品への影響も懸念され、「生活の防衛」が、日本人に限らず、アメリカで暮らす人々の大きな課題になりそうです。円安傾向の為替動向もあって個人での留学や滞在条件が厳しくなるそんな環境の中でも、新しくニューヨークで、アメリカで新生活を始める日本人や日本人の家庭も少なくありません。企業の転勤で来た人たちの中には、ソーシャル・セキュリティーカード取得のアポイントが1か月先になってしまった、住宅費が高くて教育環境の良いエリアに住むのが難しくなったという声も聞こえてきます。 高齢者介護の相談、帰国の相談、出産と育児、乳がん予防支援、教育相談、医療相談、メンタルヘルス、銀行口座の開設、DV相談、困窮者の帰国支援や米国の教育制度、帰国受験の準備など普通の生活を営んでいくためには、さまざまな小さなトラブルや問題が存在します。でも、それを解決するために手を差し伸べている日系社会のセーフティーネットもまた存在します。ニューヨークに長く住んでいる人も、最近この地に来た人も、いま改めて「ニューヨークの日系社会のために支援している人、団体」に焦点を当て、新年号第1部では「NY日系社会を助ける」というテーマで特集します。 もちろん本紙編集部だけで把握している諸団体以外にもさまざまな団体があることが予測されますので、読者の皆様の身近なところで活動しているグループや団体で紹介して欲しいところがあれば紹介いただければ幸いです。紙面でも呼びかけていきたいと思いますので、ご協力いただけましたら助かります。今週中には、新年号の企画書を各方面の社会福祉を活動の中心とする日系諸団体、ボランティア団体、日々活動されている個人の皆さまに発送させていただきます。 そして新年号第2部では、例年通り、本紙主催の児童作文コンクール「ことばの泉」、書道の「書

編集後記 11月15日号 編集後記 11/14/202511/14/2025 miura 編集後記 みなさん、こんにちは。今年もあと、残すところ1か月半余りとなりました。毎年この時期になると、新聞各社は新年号の制作に追われています。毎年、スロー...

今週のデジタル版を読む(1)空港で欠航続く 日航と全日空は通常運航(2)ロケッツ100周年 NY冬の風物詩(3)現代美術家 松山智一のスタジオから芽吹く 7人のグループ展(4)三島由紀夫論 平野啓一郎氏が討論(5)週刊やさしいにほんご生活(...
11/12/2025

今週のデジタル版を読む

(1)空港で欠航続く 日航と全日空は通常運航

(2)ロケッツ100周年 NY冬の風物詩

(3)現代美術家 松山智一のスタジオから芽吹く 7人のグループ展

(4)三島由紀夫論 平野啓一郎氏が討論

(5)週刊やさしいにほんご生活

(6)「日本の防衛力を抜本的に強化」 米空母で高市首相が決意表明

(7)JAMSNETが第12回世界大会NYで開催

(8)DEEPなQUEENS ディトマース・スタインウェイ

(9)チームで作り出す「かっこよさ」 佐藤栞さん

(10)品川哲山作品展 ギャラリー・マックスNYで

今週のデジタル版を読む (1)空港で欠航続く 日航と全日空は通常運航 (2)ロケッツ100周年 NY冬の風

11/12/2025

11月10日で40日目を迎え史上最長となった連邦政府の閉鎖が続く中、ニューヨーク市の主要空港で混乱が拡大している。連邦航空局(FAA)の職員約6割が無給休職となり、航空管制や安全点検業務が縮小された結果、運航便数の削減や検査遅延が相次いでいる。10日だけでラガーディア、JFK、ニューアークの3空港で合わせて250便以上が欠航し、搭乗カウンター前に長蛇の列ができ、旅行者からは「検査が遅く振替便も取れない」と不満の声が上がった。全米ではこの日だけで約2700便が欠航した。日本と米国主要都市を結ぶ路線で運航している日本航空、全日空は共に11日現在通常運航を維持しており、利用客に混乱は出ていない。

 日本航空米州広報室によると、同社の10日現在の国際線は通常運航を予定しているが、利用客には出発前に最新の運航状況を確認するよう案内を出している。特にコードシェア便を含む他社運航便の予約を持っている利用者には、事前に最新の運航状況について、各運航会社のホームページを確認するよう呼びかけている。

 全日空は、ANA米州広報室によると米国と日本を結ぶフライトスケジュールに影響はなく、減便や欠航も出ていないが、乗り継ぎ便利用者は、ウェブサイトで最新の運航状況を運航航空会社に確認するよう呼びかけている。

 航空各社は振替・返金対応に追われる一方、パイロットや整備士にも欠員が生じ、混乱が長期化している。FAAは「安全確保を最優先とする」と説明するが、運航制限により出張や物流への影響も拡大。特に感謝祭を控えたこの時期の混乱は経済活動に深刻な打撃を与えている。ニューヨーク市経済開発公社は「空港関連産業の停止が1週間続けば、市経済への損失は少なくとも40億ドルに達する」と試算した。

連邦政府の閉鎖解除早ければ今週中にも

空の便の乱れは回復に時間

 一方、ワシントンでは閉鎖終結に向けた動きが進んだ。上院は10日夜、政府を暫定的に再開させるためのつなぎ予算案を60対40で可決。法案は共和党議員のほか、民主党議員8人が賛成した。政府機関の活動を2026年1月末まで延長し、未払いとなっている連邦職員給与を補償する内容。法案は下院審議に送られ、成立すれば40日を超えた政府閉鎖はようやく終止符を打つ見通しだ。ただし、医療保険補助(オバマケア関連税控除)の扱いなどをめぐって民主・共和両党の対立は

ラジオシティーミュージックホールで開幕 ニューヨークの冬の風物詩として知られる、ホリデーシーズン限定のダンスショー「クリスマス・スペクタキュラー」が6日から、ラジオシティーミュージックホール(6番街50丁目)でスタートした=写真・三浦良一=...
11/12/2025

ラジオシティーミュージックホールで開幕

 ニューヨークの冬の風物詩として知られる、ホリデーシーズン限定のダンスショー「クリスマス・スペクタキュラー」が6日から、ラジオシティーミュージックホール(6番街50丁目)でスタートした=写真・三浦良一=。世界的に有名なダンスカンパニー「ザ・ロケッツ」が息のあったラインダンスのほか、トナカイ、サンタクロース、おもちゃの兵隊などの衣装で90分のパフォーマンスを披露する伝統的なエンターテインメント。煌びやかな衣装と舞台セットで子供から大人まで楽しめる。今年はロケッツにとって100周年目の記念すべき年となる。日によって1日2〜5回上演、感謝祭の日も含め、来年1月5日まで公演される。チケット・詳細は公式サイトhttps://www.rockettes.com/christmas/

ラジオシティーミュージックホールで開幕  ニューヨークの冬の風物詩として知られる、ホリデーシーズン限定のダ

Sprouting in GreenPoint インテリアデザイン、コンサルティング、コーディネーションのトータルサービスをグローバルに展開する株式会社GARDE(本社:東京都港区、代表取締役社長:室賢治)は、20日(木)から12月20日(...
11/12/2025

Sprouting in GreenPoint

 インテリアデザイン、コンサルティング、コーディネーションのトータルサービスをグローバルに展開する株式会社GARDE(本社:東京都港区、代表取締役社長:室賢治)は、20日(木)から12月20日(土)まで、同社が手掛けるアートギャラリーGOCA by Garde(西23丁目515番地)にて、グループ展「Sprouting in GreenPoint」を開催する。

 同展では、ニューヨークを拠点に世界的に活躍する現代美術家 松山智一氏が主宰する「松山スタジオ」にて研鑽を積んだ7人のアーティストによる作品を展示する。彼らの作品を通じ、松山スタジオが育んだ創造的エネルギーと、瑞々しい新たな感性が産み出す多様な表現を紹介する。参加アーティストは、藤本まり子、金和司、小野原和紀、川植隆一郎、雨宮ホザナ栄輝、グノテール、福田桂子。オープニングレセプションは20日(木)午後6時から9時まで。入場無料。開廊時間は火〜日曜の午前10時から午後6時まで。月曜休廊。問い合わせは電話646・260・1548まで。詳細は公式サイトhttps://www.goca.gallery/を参照する。

現代美術家 松山智一のスタジオから芽吹く 7人のグループ展 アート, 文化・芸能, 注目記事 11/12/202511/12/2025 NYS Sprouting in GreenPoint  インテリアデザイン、コンサルティング、コーディネーションのトータルサービスをグ.....

11/12/2025

JSでスーザン・J・ネイピア氏と

 ジャパン・ソサエティー(JS)で6日夕、「三島由紀夫・生誕100周年シリーズ」の関連イベントの第2弾として「三島の残したもの:平野啓一郎とスーザン・J・ネイピアによる対談」が開催された。芥川賞作家の平野氏は、23年に『三島由紀夫論』(新潮社)を出版。23年を費やした672ページの大作は文芸批評として異例のヒットとなった。

(写真上)左:1969年の三島由紀夫と東大全共闘の討論会について語るネイピア教授。右:今年の夏からニューヨーカーになった平野氏

対談するネイピア教授(左)と平野啓一郎氏(右)

 イベント冒頭では、タフツ大学教授のネイピア氏が旭日中綬章を授与されることが発表され、会場から祝福の拍手が起こった。日本文学研究に40年以上携わり、アニメ批評を通じて日米の文化交流に貢献した。ネイピア氏は「三島、記憶と嘆き」と題して講演し、三島作品が色褪せないのは現代社会との共鳴があるためと述べた。平野氏は著書の構成や、三島が高度経済成長期に抱いた違和感やニヒリズムが、バブル後の停滞感と共鳴していると自分は感じたと述べた。三島のファン以外にも現代の日本史を学ぶアメリカ人の大学生もきていた。熱心な質疑応答の後、約1時間半の対談を締めくくった。  (菊楽恵、写真も)

11/12/2025

この連載は、日本語を勉強している人を読者対象としたコーナーです。日本文化やマナー、タイムリーな日本に関する話題などを簡単な日本語で毎月第3週号に掲載します。アメリカ人の友人などにご案内ください。また、漢字をまだ習っていないお子様にとっても社会を知り、漢字に接するよい機会になります。

日本の自動販売機

 日本を訪れる人が驚くもののひとつに自動販売機(自販機)があります。街角や駅、温泉街、さらには山の上やお寺や神社の境内にもあり、その数は全国で数百万台と言われています。日本の自販機は外置きが中心ですが夜でも安心して使え、とてもきれいに管理されています。治安の良さも日本の文化です。また飲み物だけでなく、傘、お米、おみくじなどを売るものもあり、種類の多さに驚く人も多いです。さらに、日本の自販機には「おもてなしの心」があります。冷たい飲み物と温かい飲み物が並び、季節ごとに商品が入れ替わる工夫がされています。自販機は単なる販売機ではなく、日本人の心配りを感じる文化のひとつです。

(長久保美奈、マナー講師)

わくわくことわざ(15)文とイラスト 平田恵子

ちりも積もれば山となる

 ほんのわずかなものでも、積もり積もれば山のように大きくなるの例え。転じて、小さな努力の積み重ねが立派な成果につながるという教えになっています。「ちり」は、風に舞い上がるような細かな土埃のことですが、ここではわずかなものの意味。ゴミやつまらないものではありません。「日本語学習は、ちりも積もれば山となるだよ。一日に漢字を三つ覚えて、その漢字を使って日記を書いてみよう。二年後には手紙もスラスラ、小説も読めるようになるはず!」などと使います

《言葉の意味(ことばのいみ)》

・自動販売機 vending machine

・境内 temple/shrine grounds

・外置き located outdoors

・安心して safely

・種類 variety

・おもてなし hospitality

・季節ごとに depending on the season

・心配り thoughtfulness / consideration

・積もる pile up

・転じる meaning change ,move,

10月28日午後3時45分頃から約45分間、高市早苗総理大臣は訪日中のドナルド・J・トランプ米国大統領と共に、横須賀に入港している米空母「ジョージ・ワシントン」を訪問した。高市総理大臣とトランプ大統領は、自衛隊員及び在日米軍人に対して激励の...
11/12/2025

10月28日午後3時45分頃から約45分間、高市早苗総理大臣は訪日中のドナルド・J・トランプ米国大統領と共に、横須賀に入港している米空母「ジョージ・ワシントン」を訪問した。高市総理大臣とトランプ大統領は、自衛隊員及び在日米軍人に対して激励の挨拶を行い、高市総理大臣はインド太平洋を自由で開かれたものとし、地域の平和と繁栄の礎とする決意を述べ、トランプ大統領と共に世界で最も偉大な同盟となった日米同盟を更なる高みに引き上げていく覚悟である旨を述べた。首相挨拶は次の通り(外務省発表)。



挨拶をする両首脳(写真提供:内閣広報室)

 本日、米国の海軍創設250周年という記念すべき節目に、トランプ大統領とともに、地域の自由と平和を守る象徴である空母「ジョージ・ワシントン」で、挨拶するチャンスをいただいたことを心から光栄に思います。まず何よりも、日夜、我が国と地域の平和と安全のために尽力してくださっている自衛隊、そして在日米軍の軍人の皆様に、心から敬意と感謝を申し上げます。

 6年前、この横須賀の地で、トランプ大統領と亡くなった安倍晋三総理が、日米が共に手を取り合って、この地域の平和と安全を確保していくという決意を示しました。今ここに、再び日米の最高指揮官が並び立ったこの機会に、私は、その決意を引き継ぎ、インド太平洋を自由で開かれたものとし、そして、地域の平和と繁栄の礎とする決意を新たにしました。いま、我々はかつてないほど厳しい安全保障環境に直面していま

す。平和は言葉だけではなく、確固たる決意と行動によってこそ守られます。

 あちらに見える「もがみ」と「まや」を含む自衛艦と、「ジョージ・ワシントン」は、数多くの訓練を重ねてきました。また、横須賀にいる多くの補給、整備に携わっている日米関係者の方々、そして地域社会との絆が、米海軍の活動を長年にわたって支えてきました。こうした幾層にもわたる日米の協力が、日米の抑止力・対処力を確かなものとしております。

 私は決意しています。今後、日本の防衛力を抜本的に強化して、この地域の平和と安定により一層積極的に貢献していきます。そのことにより、トランプ大統領と共に、世界で最も偉大な同盟になった日米同盟を更なる高みに引き上げていく覚悟です。日米は共に帆を掲げ、自由で開かれた海を進みます。この横須賀から紡がれる航路は、日米の絆を輝

「日本の防衛力を抜本的に強化」 米空母で高市首相が決意表明 NYニュース, 注目記事 11/12/202511/12/2025 NYS  10月28日午後3時45分頃から約45分間、高市早苗総理大臣は訪日中のドナルド・J・トランプ米国大統領と共に、横須...

片平大使公邸でレセプション 邦人医療支援ネットワーク(JAMSNET、本間俊一会長)は7日夕、ニューヨーク総領事公邸で、第12回世界大会のレセプションを開催した。米国内だけでなくドイツ、カナダからも合わせ26団体の関係者40人が参加した。新...
11/12/2025

片平大使公邸でレセプション

 邦人医療支援ネットワーク(JAMSNET、本間俊一会長)は7日夕、ニューヨーク総領事公邸で、第12回世界大会のレセプションを開催した。米国内だけでなくドイツ、カナダからも合わせ26団体の関係者40人が参加した。新しく着任したNY総領事の片平聡大使が祝辞を述べた。

 同団体は、2006年に当時の米国日本人医師会(JMSA)会長でコロンビア大学の本間俊一教授と在ニューヨーク総領事館の仲本光一医務官が呼びかけ、在ニューヨーク日本国総領事館が側面支援することでニューヨークで設立された。

 ニューヨークには、医療や福祉、教育、心理の分野で邦人コミュニティーを支援する団体が多数存在していたが、連携した活動はしていなかったことから、現在も、米国日本人医師会(加納麻紀会長)を中心に日米ソーシャルサービス(JASSI)など26団体が参加している。

アワードを受けたオコーナー・イアンさん(中央)

 当日の式典では、今年度のコウタロウ・バーンズ・アワードがニューヨークのオコーナー・イアンさんとドイツ・デュッセルドルフ在住のホーネカムプ山本有さんに贈られた。

 また、翌8日午後には一般参加者向けの介護や医療、安全についてのプログラムがニューヨーク日系人会で開催された。内容は「介護支援ロボットの現状と近未来像」(浅田春比古マサチューセッツ工科大教授)、「サムライ介護」(理学療法士・介護福祉士の岡田慎一郎氏)、「安全な生活のために」(在ニューヨーク日本国総領事館・松永直樹領事部長)、「世界からの医療事情」柴田のりこさん(カナダ)、柏原誠さん(ドイツ)、柳沢ロバートさん(米国)、「これからのセルフケアー声を共鳴させる」(音楽療法士、ソーシャルワーカーの灘田篤子さん)。

 本年度のコウタロウ・バーンズ・アワード受賞者の横顔は次の通り。▽オコーナー・イアンさん(米国ニューヨーク)=カリフォルニアで育ち、補習授業校のあさひ学園に通った。大学はニュージャージー州のラトガース大学に進み、日本人学生会を立ち上げた。卒業後は「NYでボランティア」に所属、他のコミュニティにも目を向けスープキッチンなどで奉仕できるプログラムを企画中。現在は、マウント・サイナイ病院で研究員として勤務。医師になることを目指している。

▽ホーネカムプ山本有さん(ドイツ、デュッセルドルフ)=

片平大使公邸でレセプション  邦人医療支援ネットワーク(JAMSNET、本間俊一会長)は7日夕、ニューヨー

11/12/2025

世界的なピアノ産業で成長

 クイーンズ区ディトマース・スタインウェイ地区北部は、広大なコン・エディソン(電力会社)施設などがある産業エリアですが、19世紀頃の景色は全く違い、ピアノで有名なスタインウェイ家のビジネス関連一色の地区でした。

 ドイツ系移民の創業者ヘンリー・スタインウェイが始めた「スタインウェイ・ピアノ」工場があり、息子のウィリアム経営時に一層発展します。多くの技術革新や特許取得をし、世界的な高級ピアノブランドに成長。そして、ピアノ工場のみならず、近隣に工場労働者向けの住宅、教会、図書館、学校(キンダー)、公園、インフラを整備し、理想的な労働環境を目指した産業コミュニティとして、約400エーカーの「スタインウェイ・ビレッジ」も作っています。

 さらに、フェリーでマンハッタンから行ける海辺の家族向けリゾート地として「ノース・ビーチ遊園地」を1896年に開業。ここはクイーンズのコニーアイランドと言われたリゾート地でしたが、残念ながら1920年代後半頃には次第に衰退。今その跡地はラガーディア空港のターミナルA周辺です。

 加えて、マンハッタン区との交通手段の必要性から、イーストリバーの下に「スタインウェイ・トンネル」を作り、1915年に地下鉄が開業。現在は地下鉄7号線グランド・セントラル駅からハンター・ポイント・アベニュー駅間として使用されています。

 スタインウェイ家は、小高い場所に建つ「スタインウェイ・マンション」に1870年から1920年代まで居住。米国国家歴史登録財でNY市ランドマークですが、現在は私有地であり非公開。かつては広大な敷地内にあったこの邸宅は、産業地区の中でひっそりと佇んでいます。

 創業家によるピアノ会社経営は1972年に終息していますが、ピアノ事業、産業コミュニティ、遊園地にトンネルとさまざまな事業でビジネス手腕を発揮し、スタインウェイ家は地域リーダーとしてアストリアの発展に影響を与えたそうです。

 スタインウェイ・マンションまでは最寄り地下鉄駅から徒歩20〜25分です。

プロフィール: 明石鯛

兵庫県明石市出身、ウエストチェスター在住。週末の街歩きグループと共に、未知なるNY市内を元気に探索中。

11/12/2025

メイクアップアーティスト

 佐藤栞さんは、東京都小金井市出身で、バンタンデザイン研究所を卒業後、現在はニューヨークを拠点に活動しているメイクアップアーティストだ。来米して4年、この間にヴォーグ、ロフィシェル、エルなど一流ファッション誌やニューヨーク・ファッションウィークの現場でメイクを担当、既に第一線で活躍している。メイクアップを通して「その人らしさ」や「作品全体の空気感」を表現することを大切にしているという。

 佐藤さんが考える「その人らしさ」とは、作品に関わるすべての人──フォトグラファー、スタイリスト、モデル、ヘア、メイクなど──それぞれの「かっこいい」や「こだわり」が作品の中に自然に息づいていることだ。チーム全員の頭の中にあるイメージや感性を、ひとつの世界観としてどう形にしていくか。そのプロセスの中に「その人らしさ」があると思っている。

 また「作品全体の空気感」とは、関わる全員のやりたいことをただ詰め込むのではなく、それぞれの想いをどう美しく調和させ、ひとつの作品として完成させるかということ。時には意見の衝突もあるが、その中で最適なバランスを探り、みんなが「かっこいい」と思える作品を追求していくことを何よりも大切にしている。

 「チームで作品をつくるとき、全員の意見や想いを形にするのは簡単なことではありません。けれど、試行錯誤の末に『これ、ほんとにかっこいいね』と全員が同じ瞬間に感じられたとき、そこには言葉にならない感動があるんです。その瞬間に立ち会うたびに、みんなで協力してひとつの『かっこいい』を作り上げることの素晴らしさを改めて実感します」と話す。

 メイクを始めたきっかけは、高校3年生のときだった。それまでバドミントン部に所属していて、メイクをする習慣はまったくなかったという。部を引退して、時間に余裕ができたころ、自然とメイクをするようになって、そのときに「メイクってこんなに印象や雰囲気を変えられるんだ」と強く感じた。そこから一気に夢中になって「なんていうか、まさに目覚めたような感覚でしたね」。

 そんなとき、母との会話で「メイクアップアーティストってどう?」と何気なく言われ、その言葉に興味を持って調べたのがきっかけで、翌年、バンタンデザイン研究所へ進学した。

 「私は、メイクには正解がないと思っています。正解がないからこそ、自分が何を

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