06/25/2025
沖縄県那覇市出身で東京を拠点に活動する琉球舞踊の姉妹ユニット「赤嶺姉妹」の姉・奈津子さん(35)と、妹・真希さん(33)が20日、満席となったカーネギーホールのワイル・リサイタルホールで単独公演「志舞(しまい)」を上演した。琉球舞踊と最先端のAR(拡張現実)技術を融合させた舞台で、沖縄の美と精神を世界に発信し、戦後80年の節目に、琉球舞踊の持つ「癒し」と「祈り」の力を世界へ届けた。
(写真上)沖縄舞踊を披露する赤嶺姉妹(20日、カーネギーホールで、Photo: Tokio Kuniyoshi)
色鮮やかな衣装に、厳かなメロディ、表情を変えずに情念を抑えたミニマムの動作は、日本舞踊や能、歌舞伎とは一味も二味も異なるエキゾチックな世界が2人の演技と歌で表現され、会場のニューヨーカーたちを釘付けにした。
2人は、琉球舞踊八曄流餘音の会家元・前田千加子に6歳で入門し、首里城公演や国立劇場おきなわ主催公演に出演する。姉妹とも沖縄タイムス主催の伝統芸能選考会古典舞踊部門の最高賞を受賞。姉の奈津子さんは2019年度沖縄タイムス芸術選賞奨励賞を最年少受賞。現在は東京を拠点に数多くのステージに出演する。2019年には紀尾井ホール、国立劇場おきなわで主催公演を開催し好評を得る。東京都港区芝に琉球舞踊教室を開設。後進の育成に力を注ぎ、伝統芸能の伝承者及び実演家として琉球舞踊の普及に献身する。沖縄舞踊のユニットを組んで今年で9年になる。
姉の奈津子さんは「遠く離れた地での挑戦を、多くの方に応援してもらえて嬉しかったです。この経験を誇りに今後も琉球舞踊の魅力を伝えていきたいです」と語り、妹の真希さんは「由緒ある舞台で琉球舞踊を披露でき、大変光栄でした。格式高い空間に飲み込まれるのではと緊張もありましたが、舞踊の力が場と調和し、温かく力強いひとときを共にできたと感じています」と舞台後に語った。
会場のニューヨーカーからは「想像していた日本の舞踊とは違って、能のような抑えた動きと歌舞伎のような色鮮やかな装束の対比がとても美しく、独特の音楽と所作から宮廷舞踊らしい厳かでリッチな舞台なのがとても素晴らしかった」という感想が聞かれた。会場にはニューヨーク在住の沖縄県出身者たちも大勢詰めかけていた。「琉球舞踊を世界に知ってもらうきっかけにしたい」という姉妹の夢は、この夜、見事にカー