週刊NY生活 デジタル版

今週のデジタル版を読む(1)NY市長にマムダニ氏 若者層が支持、連邦政府敵に(2)ルース・アサワ大回顧展 MoMAで開催中(3)アンネ・フランク展 隠れ家を忠実に再現(4)高市早苗新政権の性格を考える。(5)祖母の思い出 田村明子のカーテン...
11/05/2025

今週のデジタル版を読む

(1)NY市長にマムダニ氏 若者層が支持、連邦政府敵に

(2)ルース・アサワ大回顧展 MoMAで開催中

(3)アンネ・フランク展 隠れ家を忠実に再現

(4)高市早苗新政権の性格を考える。

(5)祖母の思い出 田村明子のカーテンコール

(6)レストラン日本 62周年を祝う

(7)世界のどこでも地域盛り上げ隊 林 里奈さん

(8)THE TALE OF GENJI AND KYOTO (BOOKS)

(9)Totto-chan The Sequel 翻訳者のサイン会などNYで開催 (BOOKS)

(10)ブレない者への賛歌 シネマ試写室

今週のデジタル版を読む (1)NY市長にマムダニ氏 若者層が支持、連邦政府敵に (2)ルース・アサワ大

ニューヨークの市長選挙は4日、投開票され、急進左派のニューヨーク州下院議員の民主党候補ゾーラン・マムダニ氏(34)が初当選した。インド系移民でアフリカ東部のウガンダ生まれのマムダニ氏は、家賃値上げの凍結や市営スーパーの導入といった生活コスト...
11/05/2025

ニューヨークの市長選挙は4日、投開票され、急進左派のニューヨーク州下院議員の民主党候補ゾーラン・マムダニ氏(34)が初当選した。インド系移民でアフリカ東部のウガンダ生まれのマムダニ氏は、家賃値上げの凍結や市営スーパーの導入といった生活コスト低減政策を掲げ、物価上昇に苦しむ若年層を中心に支持を集めた。民主党の今後の方向性について議論が予想される。マムダニ氏は、全米最都市の市長としては最も若い人物となる。南アジア系の人物として、そしてイスラム教徒としても初めてこの役職に就くことにもなり、ニューヨーク市政で歴史的な選挙結果となった。

 今回の選挙でマムダニ氏は、無所属で立候補したアンドリュー・クオモ前ニューヨーク州知事との事実上の一騎打ちとなった。速報値の得票率でマムダニ氏は50・3%、クオモ氏は41・6%で共和党候補カーティス・スリワ氏は7%強に止まった。

 トランプ大統領はマムダニ氏を「共産主義者」と呼んで敵視。投票日前日の3日には自身のSNSで、「選択肢はない。クオモ氏に投票しなくてはならない」と呼びかけ、マムダニ氏が当選した場合は連邦資金の制限を行う考えを示し、さらに選挙結果が出た後、トランプ氏は自身のSNS(Truth Social)に「…AND SO IT BEGINS!

 ニューヨークの市長選挙は4日、投開票され、急進左派のニューヨーク州下院議員の民主党候補ゾーラン・マムダニ氏

11/05/2025

抽象概念に密められた計算

 ニューヨーク近代美術館(MoMA)6階の特別展示会場、スティーブン&アレクサンドラ・コーエン・センターで開催中のルース・アサワ没後回顧展(1面に記事)は、ワイヤーを使った「ループ/結び目」構造の浮遊性ある彫刻で広く知られる彼女の約60年を網羅し、展示作品数はおよそ300点に上る。

 同展は、アサワが長く拠点としたサンフランシスコで発表された、サンフランシスコ近代美術館(SFMOMA)での展示(4月5日から9月2日)を経て今回MoMAに巡回展示された。展示から素材や形式を超えて「制作=生活」「内部=外部」「抽象=具象」を横断する視点が展覧会を通じて提示されており、現代美術/公共芸術/教育といった複数の文脈から読み解くことができる。

 観覧のポイントは、ワイヤー作品は「空間を透かすこと」や「影との関係」を含むので、観る位置・角度によって光の変化を意識すると新たな発見がある。多様な技法・素材を使った作品群を通じて、「素材が何をできるか」を探究し続けたアサワの姿勢に注目。ドローイングや版画の静かな作品と、空間的・彫刻的な作品との対比を楽しむことができ、静と動、内部と外部、生活と芸術の往還。中でも、公共芸術・教育活動にも触れておくと、「作品」を超えて「社会との関わり」という文脈が開ける。彼女が手がけたロゴや紋章など現代のようにコンピューターのない時代の作品としては、抽象の概念の中に込められた緻密な計算が見て取れる。

 展示構成は、出発点と教育期(1940〜50年代)、サンフランシスコ移住とワイヤー彫刻の発展(1950〜60年)、家族、公共美術とコミュニティ(1960年代後半〜)、細やかな素材探究・ミニチュア、晩年の植物/花モチーフによるドローイング・版画(1990〜2000年代)となっている。多数点数ゆえに「興味を持った素材やテーマ(例えばワイヤー作品)をまずじっくり見て、余力あればスケッチや版画系も回る」という回り方もおすすめだ。 (三浦)

MoMA

11 W 53rd St, New York, NY 10019

TEL (212) 708-9400

https://www.moma.org

開館時間 10:30-17:30 金曜のみ 10:30-20:30

来年2月まで延長 第2次世界大戦中にアンネ・フランク一家らがナチスの迫害を逃れて約2年間潜伏したオランダ・アムステルダムの隠れ家が、ニューヨーク市内で再現されて話題を呼んでいる。ニューヨーク・ユダヤ歴史センター(Center for Jew...
11/05/2025

来年2月まで延長

 第2次世界大戦中にアンネ・フランク一家らがナチスの迫害を逃れて約2年間潜伏したオランダ・アムステルダムの隠れ家が、ニューヨーク市内で再現されて話題を呼んでいる。ニューヨーク・ユダヤ歴史センター(Center for Jewish History:西16丁目15番地)は、アウシュビッツ解放80年にあわせて今年1月27日の国際ホロコースト記念日から、「アンネの日記」で知られるユダヤ人少女アンネ・フランクが強制収容所に送られるまで生活していた隠れ家を世界で初めて実物大で再現した。

 「Anne Frank The Exhibition」の隠れ家には、出入り口を隠すための本棚をはじめ、ベッドルームやキッチンの家具、日記帳や生活用品のレプリカが展示されている。アムステルダムの隠れ家はアンネの父オットー・フランクの希望により家具や生活用品がない状態で保存・公開されているが、NYではアムステルダムから提供された未公開品も含む100点以上の収蔵品も加えて再現されているため、来館者は当時のアンネと家族らの日常を感じながら見学できる。また、同展では隠れ家を再現しているだけでなく、強制収容所に送られた2年後に15歳で亡くなったアンネの生涯についてや、書籍・各国の出版物、ホロコーストに関する展示が7500平方フィートの会場に歴史を追うようにつくられている。入り口で一人ひとりに渡される無料のオーディオガイドを使ってじっくりと耳を傾ける人も多く、すべての解説を聞きながら会場を歩くと約1時間、歴史と家族の物語を学ぶことができる。

 当初は4月末までだった同展は連日満員でチケット入手が難しくなったため10月末まで延長、そして現在はさらに2026年2月1日まで延長されている。入場料は一般24ドル〜、17歳以下は18ドル〜。土曜休館。ソールドアウトの日も多いため、オンラインで時間指定の事前購入を推奨する。チケット・詳細はウェブサイトhttps://www.annefrankexhibit.orgを参照する。

(高田由起子、外観写真も。ほかの写真は公式サイトより)

アンネ・フランク展 隠れ家を忠実に再現 NYニュース, 注目記事 11/05/202511/05/2025 NYS 来年2月まで延長  第2次世界大戦中にアンネ・フランク一家らがナチスの迫害を逃れて約2年間潜伏したオランダ・アムステルダムの隠れ...

11/05/2025

高市早苗氏が総理大臣に選出された。就任早々いきなりの首脳外交となったが、ベテラン政治家らしく日米、日中、日韓いずれの首脳会談も無難にこなしたことから、政権は高支持率とともにスタートを切ることができた。一部調査では支持率が80%を超えているというのであるが、事実であれば小泉純一郎政権以来のことである。高い支持を背景に本格政権へと階段を登ることができるか、今回はこの政権の性格を論じてみたい。

 まず明らかなのは、保守イメージを保つことで中道政策を進めるという安倍方式がフル稼働しているということだ。安倍方式というのは、亡くなった安倍総理の場合と同じく、保守票から絶大な支持を獲得することで、かえって保守「ではない」政策が進められるというマジックを指す。安倍氏の場合は、リベラルな経済政策をはじめ、上皇さまの意向を正面から受け止めて譲位改元を実現、更には国費を投入しての日韓合意、日米相互献花外交、大胆な移民推進などを実現した。いずれも中道左派政権であれば保守派の反対で立ち往生しかねない政策であるが、安倍氏は堂々と進めて成功させている。

 高市氏の場合だが、既にこのマジックを全開モードで活用している。総理に選出されるとともに、堂々と靖国参拝は封印、日韓外交では太極旗に一礼するなど、その行動は徹底している。こうした姿勢を貫いたことは、中道から中道左派の有権者にも安心感を与えたと思われ、これが80%という高い支持につながっている。そう考えると、安倍晋三氏の後継どころか、アメリカで言うならば、民主党支持者を取り込んだ2期目のレーガンのマジックにも比較可能と言えよう。

 問題は構造改革をどこまで進めるかだ。これは、第2次安倍政権の際の「3本の矢」構想において、必ずしも実現ができなかった分野になる。心配なのは、高市政権も安倍政権と同様に、支持層の中核を占めるのは、構造改革という意味では守旧派に属するグループということだ。そうとは言え、農政改革、雇用改革、デジタル改革の3点は日本という国の存続のためには、待ったなしの課題である。非常に楽観的な見通しをするのであれば、河野太郎氏や小泉進次郎氏などとは異なり、構造改革を声高には掲げず、また守旧派を掌握していることで、高市政権はこの難しい三大改革に実績を挙げることができるのではないか、そんな期待も全く不可能ではない。

 高市氏は折に触れて

11/05/2025

日本時間10月27日(月)午前3時3分に、私の最愛の祖母が他界した。1923年大正12年生まれの彼女は、戦前、戦中、戦後を生き抜いてきた愛情溢れる優しい女性だった。私は彼女が47歳の時の初孫だったこともあり、それはそれは可愛がってもらった。厳しい母とは対照的に、いつもニコニコ優しい祖母から怒られた事はただの一度も無く、彼女の元で私はいつも伸び伸びして、癒されていた。幼い頃は週末に、しょっちゅう祖母の家に行っていたが、祖母の料理は美味しく、ねだればいつでも買ってもらえた本や漫画も嬉しく、寝る時は添い寝しながら聞かせてくれる昔話は、何よりも楽しみだった。

 祖母は愛知県常滑市で生まれ海の近くで育った。裕福な金物屋の末っ子として生まれ、朝は女中さんに三つ編みを編んでもらい、美味しいお弁当を作ってもらって近所の友人と学校に通った話は、何の変哲もないのに何度聞いても飽きなかった。彼女は女学校を卒業した後、ある商社の英文タイピストとして働く様になった。上司にも可愛がられ、仕事もやり甲斐があり楽しかったらしいが、一年後に戦争が始まった。OLの服はたちまちモンペとなり、また沢山持っていた着物やアクセサリーは根こそぎ憲兵に取られたらしい。そして赤紙が来て祖母の3人の兄達が順番に兵隊に取られていく様子、出来が良く将来を嘱望されていた優秀な兄が亡くなった時に、曽祖母が 「XXが死んでしまったーっ!!」と号泣して泣き崩れたという話などは何度聞いても胸が痛く、戦中の一般的な国民とは、どこもこんな感じだったのだろうな、、と祖母の話から想像を巡らせていた。

 祖母は祖父と結婚後、京都で家庭を持ち、家族経営をしていた美容院で働いていたので、私は幼い頃よく、祖母に美容院のシャンプー台で髪を洗ってもらっていた。その後、旧式の大きなヘアドライヤーに入り、ガーッと髪を乾かすのも楽しみだったが、それより好きだったのは、鏡の張り巡らされたヘアサロンで、その場にいるお客さん達の前で歌う事だった。

 まだ小さかったので、皆聴いてくれたのだとも思うが、終わった後みんな笑顔で拍手をして喜んでくれる事が、本当に楽しく嬉しかった。歌手になりたいと言う思いは、おぼろげながらもあの頃に芽生えたものだったような気もする。私が歌手として舞台に立つようになってからは、関西に限らず、東京でのコンサートにもよく来てくれて、終わ

11/05/2025

今年創業62周年を迎えたNYの老舗日本食レストラン「レストラン日本」は、3日夜、創業62周年特別記念イベントを開催した。

(写真左上)倉岡さんのビデオの前で挨拶するテニス選手のバージニア・ウエイドさん、(写真右上)思い出を語るジャズピアニストの秋吉敏子さん、(写真右下)現オーナーの古屋昭代さん(右)と馬越さん。「62年の氷の彫刻」(岡本慎太郎・作)の前で

元総支配人の馬越さん来米

39回目のNYマラソン出場

 NYにおける純和食店の先駆者として同店を築き上げた創業者の倉岡伸欣夫妻の功績を称え、同店に45年間勤めた元総支配人でマラソンランナーとしても知られる馬越恭弘さん(73)が来米し、同店の歩みと自身の体験談について来場者に話した。通算で39回目のニューヨークマラソンに参加した馬越さんは、同氏の新著『虎フグとマラソンのニューヨーク喰い物語』も紹介した。当日は100人近い来場者で賑わった。同店のファンの一人、サクラ商事社長の満仲恒子さんは「ニューヨークでちゃんとした日本食を食べられる店はもうここだけになってしまったわよ」と話し、日系団体の幹部を務めるビジネスマンの竹田勝男さんは「ニューヨークの日本食の歴史を作った店」と話す。店内改装を手がけた高崎康裕さんは「レストラン日本は日本人の心のよりどころですね」と話す。歴代の日本の現役首相が来米時には必ず来店することでも有名。1971年から店に通っているという医師のミンデルさんは「今も同じ味を楽しんでいてハッピーだ」と大勢の家族づれで来店した。

 倉岡さんの口癖は「ニューヨークでレストランビジネスを長くやっていこうとするなら、オーセンティシティー(本物志向)、ファイン・クオリティー(品質)、リーズナブル・プライスが大切だ」だった。1963年にニューヨーク・タイムズ紙の料理評論家、クレイグ・クレボーン氏がくれたアドバイスだという。  

 会場では1977年にウィンブルドン女子シングルスで優勝したイギリス・テニス界の象徴として敬愛されるバージニア・ウエイドさんがお祝いに駆けつけ、創業者の倉岡さん夫妻がおにぎり弁当を届けて選手たちを激励してくれたことに感謝の言葉を述べたほか、ジャズピアニストの秋吉敏子さんルー・タバキンさん夫妻も祝辞を述べた。当日来店した客は、ブルックリンのブッシュウィック地区にあるクラフト酒蔵「Kat

Mamas' Space NY主宰 会場は、小さな怪獣やカボチャに扮した生後2か月から3歳くらいの幼児とお母さんたちでごった返していた。10月24日ニューヨーク日系人会で開催されたハロウィンの幼児向けイベントでのこと。主催したのは、ニューヨ...
11/05/2025

Mamas' Space NY主宰

 会場は、小さな怪獣やカボチャに扮した生後2か月から3歳くらいの幼児とお母さんたちでごった返していた。10月24日ニューヨーク日系人会で開催されたハロウィンの幼児向けイベントでのこと。主催したのは、ニューヨークすくすく会。同会は、2004年に小児科医で現米国日本人医師会会長の加納麻紀さんによって創設され、産婦人科医、小児科医、ソーシャルサービス関係の看護士、助産婦、 ソーシャルワーカーや先輩お母さんが、NY近辺で妊娠・出産、育児中の日本人家族を支援するボランティアグループとして活動している。

 「みなさーん、今日はお集まりいただいてありがとうござまーす」と第一声で元気なアナウンスをしたのが、同会の運営メンバーとして活動する林里奈さんだ。「年間を通して1〜2か月に一度のペースでイベントを企画しています。年4回の季節ごとのお茶会イベントをはじめ、医療関係者や講師によるCPR(心肺蘇生法)講座を年2回、オンライン講座も年に数回行っています。対面イベントの『お茶会』では、参加者同士が気軽に語り合える温かな交流の場を大切にしています」と話す。

 林さんはニューヨークに住み始めて4年目。総合商社勤務の夫の転勤でこれまでイギリスやブラジルに駐在経験があり、イギリスで資格を取得したベビー&キッズマッサージのインストラクターとして日本で児童館や公民館でキッズマッサージを教えていた。イーストチェスターではMamas’ Space NY(ママズ・スペース・ニューヨーク)を主宰し、地域のママさんたちが安心して集い、学び、楽しめる空間として、同じ地域のママを講師として招いての学びの講座や、みんなで作る料理ワークショップなどを定期的に開催している。また毎月地元のシニアハウスで折り紙のワークショップも開催している。

 「それぞれの分野で力を持つママたちが、自分の技術や経験を最大限に発揮できる場の提供になり、また地域のママさん同士の交流にもつながる場となっています」と話す。林さん自身も3人の男の子を育てる現役のママさんだ。

 日本では一般社団法人エンデマール(En de

Mamas' Space NY主宰  会場は、小さな怪獣やカボチャに扮した生後2か月から3歳くらいの幼児とお母さんたちでごった

11/05/2025

源氏物語と京都を日英両語で

梶山寿子・著プレジデント社・刊

 この本は、11世紀の宮廷文学の傑作である源氏物語を軸に、京都という実際の歴史的都市を舞台として「物語の世界」と「旅の世界」を英語・日本語の対訳形式で紹介するというユニークな構成で書かれている。

 著者の梶山寿子さんが、観光ガイドとしての視点、文学作品・歴史的背景を読み解く視点、そしてバイリンガル(日本語/英語)対応という学びやすさという視点を組み合わせており、「京都を訪れる外国人旅行者」「文学・文化に興味のある日本語学習者」「そして日本人が改めて京都/源氏物語の背景を楽しむための旅のお供」という三層の読者を視野に入れているところがこの本の特色だ。

 ページをめくっていくと、単なる観光ガイドではなく、源氏物語の物語背景・登場人物・舞台と、京都に現存/イメージされる場所を結びつけて紹介している。これにより、「ただ観る」旅から「物語を感じる」旅へと昇華している。

 例えば京都御所と光源氏の関係は、光源氏の誕生・恋・出世の物語の中心舞台であり、光源氏の母・桐壺、更衣藤壺との恋愛など、多くの重要なシーンがここで描かれる。現代の京都御所を訪れると、平安貴族の生活や物語の情景を五感で追体験できる。ただし、ご存じの通り光源氏は実在の人物ではなく紫式部が描いた架空の貴公子なので、直接的な史実上の関係ではなく、物語の舞台としての象徴的・文化的な関係になる。

 光源氏は皇子としてこの御所で生まれ、若くして政治的・恋愛的な波乱に巻き込まれていく。その出発点として「京都御所」は彼の栄光と悲劇が始まる場所として特筆される場所。「禁断の恋」の舞台であり、権力と栄華の象徴とも言える。光源氏が出世して太政大臣にまで昇り詰めると、御所での彼の立場は非常に高くなり、御所はまさに「政治と愛の舞台」「栄華と孤独の象徴」として、物語の中心をなす場所になる。

 また、次に出てくる「平安神宮」との関係は、直接的な史実上の関係はないが、象徴的・文化的なつながりがいくつかある。

11/05/2025

『窓ぎわのトットちゃん 続編』 英語版

作:黒柳徹子 絵:いわさきちひろ講談社USA 2025年

 講談社USAは黒柳徹子のベストセラー『窓ぎわのトットちゃん続編』の英語版発行に合わせニューヨークで記念イベントを開催する。まず今月22日(土)には翻訳者・手嶋優紀氏によるトークイベント(ニューヨーク公共図書館53丁目分館・53丁目西18番地)で午前11時30分〜午後12時30分まで。入場料:無料。続いて24日(月)には、紀伊國屋書店NY本店にて翻訳者サイン会が午後6時〜8時まで。25日(火)午後6時からはジャパン・ソサエティー(東47丁目333番地)でアニメ映画『窓ぎわのトットちゃん』上映、パネルディスカッションとサイン会。出席は手嶋氏、アレクサンドラ・マカロー=ガルシア氏(編集者)、ネイサン・ショッキー氏(バード大学日本語学科准教授)。上映開始午後7時。入場料はジャパン・ソサエティーのホームページを参照:https://japansociety.org/events/totto-chan-the-little-girl-at-the-window

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10036

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