週刊NY生活 デジタル版

今週のデジタル版を読む(1)能と歌舞伎の共演 日本の伝統芸能に大喝采(2)ヨグマタ相川圭子さん 国連で女性起業家に講演 (3)退役軍人の日 ワシントンDCで古本さんスピーチ(4)富山県をNYでPR   新田知事が来米(5)生き生きEATS ...
11/19/2025

今週のデジタル版を読む

(1)能と歌舞伎の共演 日本の伝統芸能に大喝采

(2)ヨグマタ相川圭子さん 国連で女性起業家に講演 

(3)退役軍人の日 ワシントンDCで古本さんスピーチ

(4)富山県をNYでPR 新田知事が来米

(5)生き生きEATS  総集編

(6)日本ふるさと名産食品展

(7)植山慎太郎 2026年カレンダー クラウドファンディング

(8)静かな朝のクオモ、赤い夜のスリワ  40+女の人生

(9)ニューヨークの魔法

(10)ウルトラマンライブ 大人も子供も大喜

【今週の紙面の主なニュース】(2025年11月22日号) 今週の主なニュース, 注目記事 11/19/202511/19/2025 NYS 今週のデジタル版を読む (1)能と歌舞伎の共演 日本の伝統芸能に大喝采 (2)ヨグマタ相川圭子さん 国連で女性起...

満場のスタンディングオベーション カーネギーホールで14日夜、日本の伝統芸能「歌舞伎」と「能」を融合した特別公演「An Evening of Traditional Japanese Arts」が行われた。 囃子奏者3兄弟のユニット「三響会...
11/19/2025

満場のスタンディングオベーション

 カーネギーホールで14日夜、日本の伝統芸能「歌舞伎」と「能」を融合した特別公演「An Evening of Traditional Japanese Arts」が行われた。

 囃子奏者3兄弟のユニット「三響会」を中心に能と歌舞伎の共演をはじめ、箏、津軽三味線、和太鼓の演奏など多彩なプログラムが組まれた。

 圧巻は、「三響会版・獅子」で観世喜正が能の、歌舞伎俳優の中村隼人が歌舞伎の獅子となって海外同一演目で並び立つという前代未聞の舞台を披露し、同大ホール2000席完売の客席からスタンディングオベーションの大喝采を浴びた。(関連記事2面と3面に)

(写真上)カーネギーホールだからこそ実現した能楽師の観世喜正と歌舞伎俳優の中村隼人の舞台共演(写真・三浦良一)

Oh! ワンダフル! 銀座の歌舞伎座がNYに

カーネギーホール日本の伝統芸能の夕べ

中村「厳かな雰囲気大切に」

本紙の取材に応える中村さん

 中村隼人さんは公演前に本紙の取材に対してこう語っていた。

 「僕は今回、初ニューヨークなんですけど、公演前に3日間ほど歩いてみて本当に色々な文化に触れることができました。日本の新しいサブカルチャー以外にも、日本には江戸時代から伝わる伝統文化、芸術があるということを見ていただいて楽しんでいただきたいと思っています。自分のこれまでやってきたこと、古典芸能の歌舞伎役者であるということを大事にしつつ今回のお能と歌舞伎のコラボレーション公演という、そういった厳かな雰囲気を大切に努めていきたいですね。今回は「石橋(しゃっきょう)」という歌舞伎の中でも屈指の派手さを持ったものを持って来たので、古典でありながらも、煌びやかさのある作品なのでそれをぜひ楽しんでもらいたいですね」と抱負を述べた。まさにその俳優の体力・技術勝負の演目で、歌舞伎の「派手な踊り」の代表格である能の名作『石橋』を題材にした、華やかで躍動感のある歌舞伎舞踊を舞台で披露し、ラストはスピード感のある連続毛振りで、客席を沸かせた。

 当日前半は、黒澤有美の箏、辻勝の和太鼓、津軽三味線の上妻宏光、光輝の演奏が披露され、場内の観客は静寂の中に鳴り響く音と舞台演出に吸い込まれるように聞き入った。会場で観劇したニューヨーク総領事の片平聡大使は「カーネギーホールの音響が本当

能と歌舞伎の共演 日本の伝統芸能に大喝采 伝統芸能, 文化・芸能, 注目記事 11/19/202511/19/2025 NYS 満場のスタンディングオベーション  カーネギーホールで14日夜、日本の伝統芸能「歌舞伎」と「能」を融合した特別公演「An...

ヨグマタ相川圭子さん(80)が14日午前、ニューヨークの国連本部デリゲーションダイニングルームで開催された米国で活躍する女性の団体WEDOの開会式冒頭で講演し、全米から集まった女性起業家たちに精神面からの気づきについて解説した。 相川さんは...
11/19/2025

ヨグマタ相川圭子さん(80)が14日午前、ニューヨークの国連本部デリゲーションダイニングルームで開催された米国で活躍する女性の団体WEDOの開会式冒頭で講演し、全米から集まった女性起業家たちに精神面からの気づきについて解説した。

 相川さんはヒマラヤの秘境にて死を超える修行を重ね、最終段階のサマディ(究極の悟り)に到達した人だけに、最初は近づき難い地位の高僧のように畏敬の眼差しで聞いていた女性たちも、後半は通訳なしで流暢な英語で相川さんが自らのヨガとの出会いや、現代の世界で必要とされる心のバランス、オフィスでも簡単にできる瞑想方法をステージから伝授して、大きな拍手に会場が湧いた。

 当日は、ロッキー青木氏夫人の青木恵子さんもアジア系の女性起業家たちとともにテーブルで相川さんの講演に聞き入った。

 「世界を平和にすることは大変なんですが、一人一人が自然のパワーとつながって聖なるエネルギーとコンタクトするとセルフ・リアライゼーションができるようになります。お金持ちになりたいと思って、お金持ちになったとしても、手に入れたものからパワーは得られないのです。自分の内側を満たす、量子力学的に言うと、全ては波動のエネルギーでできています。源の存在につながりそこからの愛とパワーと知恵を湧き上がらせることで内側が満ちて、また人を幸せにする生き方、現実の中で内と外を車の両輪のように実践する瞑想で心の内側から平和になり充電することが大切だ」とゼスチャーを交えはつらつとスピーチした。

(写真)仕事と心のバランスの大切さを説く相川さん

 ヨグマタ相川圭子さん(80)が14日午前、ニューヨークの国連本部デリゲーションダイニングルームで開催された米国

退役軍人ベテランズデーの11日、ワシントンDCで開催された第二次世界大戦中の日系米兵の記念団体JAVA&NJAMFの年次大会に古本不動産会長の古本武司さんがベトナム戦争退役軍人として登壇した。 古本さんは「私の父は、日本にまだ家族、親戚が残...
11/19/2025

退役軍人ベテランズデーの11日、ワシントンDCで開催された第二次世界大戦中の日系米兵の記念団体JAVA&NJAMFの年次大会に古本不動産会長の古本武司さんがベトナム戦争退役軍人として登壇した。

 古本さんは「私の父は、日本にまだ家族、親戚が残っているため、日本に帰れなくなることを恐れ、父が忠誠登録の質問27番と28番に『No、No』と答えました。これは、米国への忠誠と兵役を拒否したとみなされ、私の家族はカリフォルニア州北部のツール・レイク収容所に送られました。私はこのツールレイク日系アメリカ人強制収容所で生まれました。私は大学を卒業後、ベトナム戦争に志願して出兵しています。その後、私はベトナム戦争でPTSDとAgent Orange(枯葉剤)を受けたことによる後遺症に悩まされることになりました。皆さんもご存じの通り、2011 年 11 月 2 日の式典で、アメリカ連邦議会から第100歩兵大隊、第 442連隊戦闘団に黄金勲章を授与。その頃、私はテリー・シマさんにJAVA(Japanese American Veterans Association)に参加しないかと声をかけらた。ベテランズ・デーはこの国を守り、米国の精神や愛国心を体現してきた人々を讃える日でもあります。こうした精神こそがアメリカの魂であり、私たちはこの日を心から敬意をもって祝うべきだと考えます。ベテランズ・デーは退役軍人が功績を得ていますが、配偶者も讃えられるべきだと考えます。私をずっと支えてくれている妻も讃えたいです」とスピーチした。

 ミュージカル俳優の小野功司が出演するホリデーショー「Christmas In The Air」のUSツアーが28日にロサンゼルスからスタートし、12月22日まで全米各地で公演を行う。NY・NJエリアは12月12日(金)NY州シラキュース、20日(土)NJ州アトランティックシティー、22日(月)NY州オグデンズバーグ。

 小野は東京ディズニーランドのダンサーとしてキャリアをスタート、その後は劇団四季で俳優として11年間活動した。退団後2019年からNYを拠点に活動している。同ショーは昨年に続き2度目の出演となる。チケットはhttps://www.vividseats.

退役軍人の日 ワシントンDCで古本さんスピーチ NYニュース, 注目記事 11/19/202511/19/2025 NYS  退役軍人ベテランズデーの11日、ワシントンDCで開催された第二次世界大戦中の日系米兵の記念団体JAVA&NJAMFの年次....

自然や食の魅力を紹介 ニューヨーク総領事の片平大使公邸で13日、富山県のPRレセプション「The Blessings of 13,000ft」が開催された(富山県、在NY日本国総領事館の共催)。このイベントは、富山県の豊かな自然、食、歴史と...
11/19/2025

自然や食の魅力を紹介

 ニューヨーク総領事の片平大使公邸で13日、富山県のPRレセプション「The Blessings of 13,000ft」が開催された(富山県、在NY日本国総領事館の共催)。このイベントは、富山県の豊かな自然、食、歴史と伝統、文化など富山県の多彩な魅力を発信し、訪日外国人の誘客を強化することを目的とするもの。

(写真上)南砺市の伝統工芸である井波彫刻職人の木彫刻作品制作のデモンストレーション

 当日は、新田八朗富山県知事によるプレゼンテーションのほか、伝統工芸の井波彫刻の実演、富山の県産食材を使ったオリジナルメニューの提供等が行われた。富山県議会議長の武田慎一さんの挨拶で乾杯し、来場者たちは「富富富(ふふふ)」県産米を使ったおにぎりや寿司、山元醸造のはとむぎ味噌を使ったハマチはとむぎ味噌幽庵焼き、ホタルイカの沖漬け、大門そうめんや日本酒を楽しんだ。

左から片平大使、新田富山県知事、武田県議会議長

 同県の富山市は今年、ニューヨーク・タイムズ紙「2025年に行くべき52か所」に選定されたことを受けて5月にNYで開催されたジャパンパレードに招待され、藤井裕久市長らが市のPRを行った。今回はそれに続いて富山県知事が来米して富山県全体の自然や食の魅力を旅行関連業者や報道関係者を招いて観光地としての魅力をトップセールスした。

 会場では、富山県南西部(南砺市)にあり、世界遺産に登録されている五箇山の合掌造り集落や黒部ルート峡谷、立山山麓スキー場など富山の名所をスライドを使って紹介した。

 会場では、南砺市の伝統工芸である井波彫刻の職人、花嶋一作さんが木彫刻作品制作のデモンストレーションを行った。招待客として来場していたメトロポリタン美術館の日本アート部門工芸作品専門の学芸員、モニカ・ビンチクさん=写真上=は、日本間の天井などに施された「欄間」の彫刻展示を見て「初めて実物の彫刻彫り制作の実演を見ました。とても興味深いですね」と見入っていた。

自然や食の魅力を紹介  ニューヨーク総領事の片平大使公邸で13日、富山県のPRレセプション「The Blessings of 13,000ft

11/19/2025

プロに聞く、生き生きEATS(イーツ)

元気と美味しいを求めて料理の達人が腕を振るう (60)

バックナンバーを読む

 今年もあと残すところ1か月。今回は、今年紹介したプロが指導する家庭料理の中から4品を選んだ総集編となりました。料理研究家の杉本佳子さん、和参の櫻井覚三郎シェフ、高級ホテルの和食シェフ鈴木達也さんのご紹介する料理を今一度、お楽しみください。

◾︎キャベツとキクラゲと厚揚げの煮びたし

【作り方】 

 キクラゲ約10個は、水をはったボウルに入れて柔らかく戻します。厚揚げ(小さいものなら6個)はざるに入れ、熱湯をかけて油切りします。これをしないと油っぽくなるので、重要なひと手間!キャベツの葉3枚くらいは、食べやすい大きさにちぎっておきます。鍋に水カップ2を入れ、和風だしの素をパックなら半量入れます(通常、水4カップで1パックとなっているので。だしの素によって違うかもしれないのでご確認ください)。煮立ってきたら厚揚げ、キクラゲ、キャベツを入れて、キャベツがしんなりし、厚揚げが十分汁をすったら、おろし生姜汁を大さじ1くらい加えてできあがりです。

杉本佳子さんはファッションジャーナリスト兼美容食研究家で、1988年よりニューヨーク在住。ファッションジャーナリストとして働く傍ら、YOSHIKOlicious Beautyの名前でブログ及びインスタグラム、そして集英社OurAgeの連載、NY発!美しくなる「トリプル美食」で美容食を紹介している。

◾︎冷やし焼きナスと海老のゴマソースがけ

材料

〇ゴマソース (A)

練りごま(タヒニでも可) 60g

砂糖 70g

酢 70g

オリーブオイル 30g

醤油 20g

塩 8g

水 90g

スリラチャ 15g

以上を混ぜ合わせる。

〇漬ける出汁 (B)

カツオ昆布だし(顆粒でOK)

300g

薄口しょうゆ 20g

みりん

一般財団法人自治体国際化協会(クレア)は21日(金)から23日(日)の3日間、ブルックリンのジャパンビレッジ(934 3rd Avenue,)にて、自治体の海外販路開拓支援を行うため、日本各地の地域特産品の実食・販売を行う物産展「日本ふるさ...
11/19/2025

一般財団法人自治体国際化協会(クレア)は21日(金)から23日(日)の3日間、ブルックリンのジャパンビレッジ(934 3rd Avenue,)にて、自治体の海外販路開拓支援を行うため、日本各地の地域特産品の実食・販売を行う物産展「日本ふるさと名産食品展」を開催する。会場では各地の自慢の逸品を紹介し、試食や購入を通じて、日本の豊かな食文化を体験できる。当日は7自治体/10事業者による、43品目が紹介される。

 開催時間は、21日(金)が正午から午後7時、22日(土)が午前11時から午後8時、23日(日)が午前11時から午後6時まで。入場無料。予約不要。

 出展事業者は次の通り。●株式会社 ミナミ食品(岩手県:南部ゆばとわかめのうま塩スープ、南部ゆばの醤油スープ)

●株式会社 常陸風月堂(茨城県:栗蒸し羊羹)

●株式会社 染野屋(茨城県:ソミートしょうが焼き、ソミート炙り焼き、ソミートプルコギ)

●コエドブルワリー(埼玉県:ビール)

●有限会社 粋(福井県:冷凍穴子の棒寿司、冷凍浜焼鯖の押し寿司)

●小山製茶(熊本:緑茶、ほうじ茶、抹茶、GABA茶、GABA紅茶)

●株式会社 日本海水(熊本市:ふりかけ)

●株式会社SAZANKA FARM(宮崎県:焼き芋)

●株式会社 タケマン(鹿児島県:たけのこ水煮、たけのこご飯の素)

●株式会社 海連(鹿児島県:さつまいも、焼き芋)

詳細はウェブサイト

https://sites.google.com/jfcausa.org/official2025japanesefoodexpo/home

 一般財団法人自治体国際化協会(クレア)は21日(金)から23日(日)の3日間、ブルックリンのジャパンビレッジ(

本紙の表紙写真でもお馴染みのニューヨーク在住フォトグラファー、植山慎太郎さんによる「月とニューヨーク」シリーズを収録した2026年版フォトカレンダーがクラウドファンディングで登場している。コロナ禍から始まった小さな挑戦が、今年で6年目を迎え...
11/19/2025

本紙の表紙写真でもお馴染みのニューヨーク在住フォトグラファー、植山慎太郎さんによる「月とニューヨーク」シリーズを収録した2026年版フォトカレンダーがクラウドファンディングで登場している。コロナ禍から始まった小さな挑戦が、今年で6年目を迎えた。「旅をするように日常を過ごす」ようなニューヨークの季節と詩的な瞬間を届けている。

 2020年、ニューヨークがロックダウンに包まれた日。仕事も撮影もすべてが止まった中で、「写真を通して人を元気づけたい」との思いから始まったこのプロジェクト。それから6年、毎年好評を博しているフォトカレンダーが今年も新作を迎えた。

 テーマは、「永遠のニューヨーク」。

 ブルックリンブリッジのスーパームーン、セントラルパークの紅葉、雪に沈むSOHO、春色の光。街が魅せる一瞬の表情を切り取り、「時間の流れとともに変わるニューヨークの詩情」を感じられる構成にした。

 一般的なカレンダーのようにニューヨークのランドマークを並べるのではなく、「暮らしに飾っても、心が静かに満たされる」ような写真をセレクト。ページをめくるたびに、まるでニューヨークを旅しているような気分に。インテリアとしても楽しめるデザインに仕上げた。忙しい日々の中でふと視線を上げたとき、心が少し軽くなるようなカレンダーを目指している。

 クラウドファンディング

 受け付け締め切り迫る

 植山さんは「ご自宅をニューヨークに、オフィスの安らぎに、大切な方へのプレゼントとして、飾っていただければ嬉しく思います」と話している。このカレンダーをリターンとしたクラウドファンディングが現在進行中だ。

■ クラウドファンディング概要

プロジェクト名:

あなたの1年を重ねてニューヨークの記憶を綴るカレンダーを届けたい!

実施場所:CAMPFIRE

ページURL:https://camp-fire.jp/projects/872113/view

支援受付期間:2025年10月28日〜11月22日

主なリターン:2026年版フォトカレンダー、フォトキャンバス、デジタルフォトデータセット など。

 フォトグラファー:植山 慎太郎 (うえやま

植山慎太郎 2026年版NYカレンダー クラウドファンディング BOOKS, 注目記事 11/19/202511/19/2025 NYS  本紙の表紙写真でもお馴染みのニューヨーク在住フォトグラファー、植山慎太郎さんによる「月とニューヨーク」シリーズを.....

ー政治が街に溶けるニューヨーク 巨大都市ニューヨークでは、政治が思いがけない場所に姿を現す。新しい市長が決まった今だが、実は2人の候補と投票の前に別々の場所で会話を交わす機会があった。 朝の静けさの中で語られる政策も、夜のレストランで交わさ...
11/19/2025

ー政治が街に溶けるニューヨーク

 巨大都市ニューヨークでは、政治が思いがけない場所に姿を現す。新しい市長が決まった今だが、実は2人の候補と投票の前に別々の場所で会話を交わす機会があった。

 朝の静けさの中で語られる政策も、夜のレストランで交わされる街の声も、すべてが都市のエネルギーとして混ざり合っている。

 ニューヨークの魅力のひとつは、政治が「特別な舞台の上だけ」で語られるのではなく、街の日常に自然と溶け込んでいることだ。早朝の会場でも、レストランの雑踏でも、政治はいつも生活の近くにある。

 ある朝、マンハッタンで開かれた小さな朝食会に招かれた。まだ街が完全に目を覚ます前、柔らかな光が差し込む会場に登壇したのは、アンドリュー・クオモ元ニューヨーク州知事。経済、移民政策、治安——語られる話題は幅広く、どの言葉も驚くほど冷静で実務的だった。

 会場の誰かが、「知事から市長になるのは『降格』では?」と冗談交じりに投げかけると、クオモ氏はふっと笑みを浮かべ、こう返した。

 「ニューヨークは、経験者でないと務まらない街だよ」。

 その表情には、「今の候補者の多くはまだ未熟で、この街には自分のような経験が必要なのだ」という静かな自負がにじんでいた。

 朝の光の中で語られるユーモアの裏には、巨大都市を率いてきた者だけが知る独特の重みがあった。

 また別の晩。ローカルのイタリアンレストランに足を運ぶと、賑やかなテーブルの向こうに、ひときわ目立つ赤いベレー帽が見えた。カーティス・スリワ氏(ガーディアン・エンジェルス創設者)だ。

 特別な警備があるわけでもなく、地元の住民と肩を並べながら、治安や地域の未来を語り合う姿は、まさに「街の声」そのものだった。静かな朝の政策論と、夜の赤いベレー帽が放つ熱量。

 二つの対照的な風景のあいだに、ニューヨークという都市の輪郭が浮かび上がってくる。制度や経済を語る合理的な側面と、街角の温度を守ろうとする情熱的な側面。その両方が、この都市の生命力を支えている。

 日本では政治家と一般市民の距離を遠く感じることもあるが、ニューヨークでは違う。カフェでも、地下鉄でも、特別な舞台を用意しなくても、この街では政治が人々の生活に交わり続けている。その近さこそが、世界中の人を惹きつける「ニューヨークらしさ」の一つなのだろう。

 朝のクオモ

ー政治が街に溶けるニューヨーク  巨大都市ニューヨークでは、政治が思いがけない場所に姿を現す。新しい市長が

マリーパットは最近、ファッション工科大学(FIT=Fashion Institute of Technology)で、ある講座を受講することになった。客室乗務員として長い間、働いてきたが、数年前に退職し、自分のアート作品を作り続けている。 ...
11/19/2025

マリーパットは最近、ファッション工科大学(FIT=Fashion Institute of Technology)で、ある講座を受講することになった。客室乗務員として長い間、働いてきたが、数年前に退職し、自分のアート作品を作り続けている。

 FITはカルバン·クラインなど多くの有名デザイナーを輩出しているファッション専門大学で、全米はもとより世界中から学生が集まる。二十三丁目を中心にマンハッタン西部に広がるおしゃれなチェルシー地区にある。

 若い学生たちとともに、あこがれのFITで学び始める。マリーパットは気分も高揚していた。

 初日、教室に入っていくと、彼女以外の学生はほとんどが二十代だった。隣にすわっていた女子学生は、とてもフレンドリーだ。マリーパットと同じウィスコンシン州出身ということで、話はさらに盛り上がった。

 米中西部の最北にあるウィスコンシン州は、酪農が盛んだ。私も高校時代に留学していたことがあり、その町は人より牛の数のほうが多いといわれていた。

 若い学生と楽しい会話を交わしたあと、まだ授業前だったので、マリーパットは机に顔を伏せて少し眠った。

 と、突然、ものすごい音がして目が覚めた。教室中に鳴り響いたらしい。これから一緒に学び始めるクラスメートたちが全員、振り返り、マリーパットの顔を見つめている。

 そして、気がついた。それは、自分のおならだったことに。

 さっきまで親しく話しかけてくれた隣の女子学生の、投げかける視線が痛い。

 あなたはやっぱり、ウィスコンシン州の農家の田舎娘だったのねーー。

 この話を友だちにしたら、私のために作詞作曲してくれたのよ。それも、シャワー浴びながら、できちゃったっていうから、すごいじゃない?

 タイトルは「She Was Friendly 'Til I Farted」(あの娘はフレンドリーだったの、私がおならをするまでは)。

 そのとき、マリーパットは何歳だったの?

 I was sixty-six when I farted at FIT.

ニューヨークの魔法 おしゃれな大学のおしゃれでない話 BOOKS, ニューヨークの魔法, 注目記事 11/19/202511/19/2025 NYS  マリーパットは最近、ファッション工科大学(FIT=Fashion Institute of Technology)で、ある講座を受講するこ....

世代を超えて愛されるヒーロー「ウルトラマン」シリーズを制作する円谷プロダクション(本社東京都)は、シリーズの放送開始60周年を記念し、全米で様々なプロモーション企画を展開中。その一環で、15日(土)と16(日)、NJ州イーストラザフォードに...
11/19/2025

世代を超えて愛されるヒーロー「ウルトラマン」シリーズを制作する円谷プロダクション(本社東京都)は、シリーズの放送開始60周年を記念し、全米で様々なプロモーション企画を展開中。その一環で、15日(土)と16(日)、NJ州イーストラザフォードにある巨大複合型商業施設「アメリカンドリーム」のショッピングモール・コートAでは、「ウルトラマン・ライブ/プレゼント・バイ・バンダイナムコ」と題したイベントを開催。初日の15日は、11時の開場に対して1時間以上前から多くのウルトラマンファンや家族連れが詰めかけ、入場するために列を作っていた。

 会場にはミート&グリートとして、初代ウルトラマン、ウルトラマンティガ、ウルトラマンゼロ、ウルトラマンオメガら歴代のウルトラマンと、バルタン星人、メトロン星人、レッドキング、ゴモラ、ダダなど人気怪獣&宇宙人が30分ごとに現れ、参加者は記念撮影を楽しんだ。また、ステージでは1日3回、ウルトラヒーローが活躍するライブショーが行われた。ショーは、昨年アメリカで制作され全世界に配信されたネットフリックスのオリジナルアニメ映画「ウルトラマン・ライジング」で主人公ケン・サトウの声を担当した俳優クリストファー・シーンがMCを務め進行。ライブアクションとCGが見事に絡み合って展開する20分ほどのショーは、ウルトラヒーローや敵の怪獣や宇宙人の「中の人」(=スーツアクター)が過酷なトレーニングと綿密なリハーサルを繰り返して作り上げたことがよく分かる、ハイクオリティな内容で、会場を埋め尽くした子供たちだけでなく、それを勝る数の大人たちも皆、大きな歓声を上げていた。

 会場では、バンダイナムコ社がウルトラマン関連のフィギュアやグッズの販売をしたほか、ウルトラシリーズの歴史や怪獣関連の展示や、ウルトラマンカードゲームを体験できるコーナーも設置された。また、11月28日から英語版がアメリカの9つのプラットフォームで同時配信を開始する、シリーズ最新作「ウルトラマンオメガ」のプロモーションも展開していた。

 なお、入場費無料・事前予約なしで参加できる同イベントは、22日(土)と23日(日)にも11時から同じ場所で開催される。迫力満点のライブショーとウルトラヒーローや怪獣たちとの触れ合いを楽しもう。

ウルトラマンライブ 大人も子供も大喜び NYニュース, 注目記事 11/19/202511/19/2025 NYS  世代を超えて愛されるヒーロー「ウルトラマン」シリーズを制作する円谷プロダクション(本社東京都)は、シリーズの放送開始60周年を...

編集後記 みなさん、こんにちは。今年もあと、残すところ1か月半余りとなりました。毎年この時期になると、新聞各社は新年号の制作に追われています。毎年、スロースターターな、出遅れ感のある本紙、週刊NY生活ですが、新年号の企画の骨子がまとまりまし...
11/14/2025

編集後記 みなさん、こんにちは。今年もあと、残すところ1か月半余りとなりました。毎年この時期になると、新聞各社は新年号の制作に追われています。毎年、スロースターターな、出遅れ感のある本紙、週刊NY生活ですが、新年号の企画の骨子がまとまりました。2026年は、ニューヨークでは市長も新しい顔になり、日本を離れて暮らす在米日本人の生活にもさまざまな変化が現れる年になりそうです。連邦政府の外国人に対するビザの発給制限、米国内の物価の上昇、相互関税の導入による日本からの輸入商品、日本食料品への影響も懸念され、「生活の防衛」が、日本人に限らず、アメリカで暮らす人々の大きな課題になりそうです。円安傾向の為替動向もあって個人での留学や滞在条件が厳しくなるそんな環境の中でも、新しくニューヨークで、アメリカで新生活を始める日本人や日本人の家庭も少なくありません。企業の転勤で来た人たちの中には、ソーシャル・セキュリティーカード取得のアポイントが1か月先になってしまった、住宅費が高くて教育環境の良いエリアに住むのが難しくなったという声も聞こえてきます。 高齢者介護の相談、帰国の相談、出産と育児、乳がん予防支援、教育相談、医療相談、メンタルヘルス、銀行口座の開設、DV相談、困窮者の帰国支援や米国の教育制度、帰国受験の準備など普通の生活を営んでいくためには、さまざまな小さなトラブルや問題が存在します。でも、それを解決するために手を差し伸べている日系社会のセーフティーネットもまた存在します。ニューヨークに長く住んでいる人も、最近この地に来た人も、いま改めて「ニューヨークの日系社会のために支援している人、団体」に焦点を当て、新年号第1部では「NY日系社会を助ける」というテーマで特集します。 もちろん本紙編集部だけで把握している諸団体以外にもさまざまな団体があることが予測されますので、読者の皆様の身近なところで活動しているグループや団体で紹介して欲しいところがあれば紹介いただければ幸いです。紙面でも呼びかけていきたいと思いますので、ご協力いただけましたら助かります。今週中には、新年号の企画書を各方面の社会福祉を活動の中心とする日系諸団体、ボランティア団体、日々活動されている個人の皆さまに発送させていただきます。 そして新年号第2部では、例年通り、本紙主催の児童作文コンクール「ことばの泉」、書道の「書

編集後記 11月15日号 編集後記 11/14/202511/14/2025 miura 編集後記 みなさん、こんにちは。今年もあと、残すところ1か月半余りとなりました。毎年この時期になると、新聞各社は新年号の制作に追われています。毎年、スロー...

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