Doukeisha Co., Ltd. / 憧憬社

Doukeisha Co., Ltd. / 憧憬社 株式会社憧憬社の公式facebookページです。

●ミッション
リビングに書棚のある暮らしを・・・
家庭内に美しい絵本が並ぶ暮らしをご提案します。

●会社概要
2003年の創業以来、憧憬社は、世界の様々な国々から、選りすぐりの絵本を発掘、輸入して参りました。毎週土曜日曜に開催しております『がいこくえほん展』では、読み語りやブックトークを通じて、洋書絵本の魅力を、全国各地にお届けしております。

●商品・サービス  
アメリカ、イギリスといった英語の国々のみならず、フランス、ドイツ
イタリア、スペイン、ギリシャ、ロシア、スウェーデン、エクアドル、インド、
韓国などさまざまな国々から直輸入した洋書絵本です。ほとんどの絵本が、まだ日本ではあまり知られていない、日本語未出版のものです。
― 絵本は実際に手に取っていただかないと、本当の魅力はお伝えできない。 ―
という考えから、全国各地を巡回して『がいこくえほん展』を開催しております。
読み語りやブックトークを通じて、洋書絵本の魅力を分かりやすくご紹介します。

【えほん展ご報告】3月7日(金)~3月9日(日)山梨県山梨市山梨市民会館今回は、山梨市に行ってまいりました。2019年以来6年ぶりです。そして山梨県では、昨年は開催しておりません。ここ10年ほどなかなかお客様が集まってくださらないので、どう...
10/03/2025

【えほん展ご報告】
3月7日(金)~3月9日(日)
山梨県山梨市
山梨市民会館

今回は、山梨市に行ってまいりました。2019年以来6年ぶりです。そして山梨県では、昨年は開催しておりません。ここ10年ほどなかなかお客様が集まってくださらないので、どうしても足が遠のいてしまいます。しかしこのままでは山梨県で開催しなくなってしまうので、少し勇気をもっての開催でした。
山梨市は小さな町ですが、お隣の笛吹市や甲州市も合わせたら、それなりの人口になります。興味のある方なら足を運んでくださる距離です。三市と周辺の町村の、すべての小学校、幼稚園、保育園、こども園に、お子さんたち人数分のチラシを送らせていただいて、開催日を待ちました。
・・・残念ながらとても寂しい3日間になってしまいました。最近は、開催期間中にSNSなどによる口コミで、何とかお客様が増えてきて形になってくれるものですが、今回は、ご予約の入った7回のブックトークのうち、ほとんどの時間が5名様以下で、10人を超えることはありませんでした。なんと、3日間で来て下さったお子さんの数は、0歳の赤ちゃんも含めて11人だけです。ここまで少ないのは初めての経験です。企業の活動として、最低限の結果も必要な私たちとしては、辛い3日間になってしまいました。

・・・しかし!、来て下さった子どもたち、そして大人の皆さんの関心はとても高く、ブックトークでは、かなり充実した時間を過ごすことが出来ました。
子どもたちは、普段から本に触れていることが分かる子が多く、かつて、本がもっと売れていた頃のような聞き方をして下さいました。
 
土曜日の13時からの回、いつもはかなり混みあう時間ですが、今回は、8歳の男の子とお母さんの貸し切りとなってしまいました。少し居心地の悪い緊張感が生まれます。特にこの年代のお子さんは、普段あまり本を読んでいらっしゃらないと、モジモジソワソワしてしまうので、ブックトークを途中でやめることになることも少なくありません。しかしこの男の子は、最初から最後まで、楽しそうに聞いてくれて、ブックトーク後も、お母さんとお2人でたくさんの絵本を見て、かなり長い時間を過ごしてくださいました。
その中で、お母さんと私が、顔を見合わせて笑った瞬間がありました。アルファベットの絵本(実際の街の風景から、アルファベットに見える物や場所を探す絵本)を見ている時のこと、「あっ、A」「ここが、B」・・・とても楽しそうでした。そして「えーっと、これ何だっけ・・・、あっ分かった 、“わら”」
「W」です。現代っ子ですね(w)。
・・・実は私は、アルファベットがサッと出て来ないお子さんに、ほっとすることがあります。最近はかなり小さいお子さんでも、アルファベットがスラスラと、それもきれいな発音で言える子が増えました。しかし、あまりにも訓練的に“勉強”をしているだけのお子さんも少なくなく、「これ何だ」「A」という、問題に対する答えとしてABCは見つけてくれても、絵やお話の面白さにはついて来てくれないのです。しかしこの男の子は、ABCは時々怪しくても、読めない絵本の絵を眺めて想像して、かなり長い時間を過ごしてくれました。大人がリードしてあげなくても、ご自身の意思とペースによってです。お母さんが「どうする?もっと見たい?」と問いかけても、「もう少し見たい。もうちょっと見ていく。」と答えられることが3回、お一人でテーブル上の絵本を次々にめくって、ご予約の時間を少しオーバーするほどゆっくり見てくださいました。その横に、過度に導かず、問題や正解を与えることもなく、「わら」を変に正すことなく笑い飛ばして、優しくそっと立って待っていらっしゃるお母さんの様子も印象的でした。

・・・日曜日の最後の回には、絵本好きの3組の親子さんが揃ってくださいました。それぞれ、9歳、7歳、6歳の女の子です。皆さん普段からそうなのでしょう。ブックトークでは、身を乗り出して聞いてくれました。お母さんお2人とお父さんも本がお好きなようで、楽しそうに聞いてくださっていました。
毎日そのように過ごしていらっしゃるお子さんたちは、すでにたくさんのことを知っていらっしゃいます。それだけ考えるための材料を持っていらっしゃるわけですから、話を聞くこと、初めてのことを探ることも上手です。
いつも私は、「ここは気付いてくれているかな?」と子どもたちを探りながら、気付いていないようであればヒントを差し上げながらブックトークを進めるのですが、この時間は、打てば響くように気持ちよく読み進めることが出来ました。
ブックトーク後、自由に絵本を見ていただいている時の様子は、先ほどまでの時間をストンっと納得させてくれるものでした。3組とも、絵本を挟んでの親子の会話、キャッチボールが、今どきの他のご家庭と比べるとかなり多いのです。「そりゃあ、こんな風に育つよ。」という感じです。そしてこの時間は、子どもたちが次々に「これ読んで」と絵本を持って来るので、なかなか大変な、しかしうれしい時間になりました。
その中でも、一番小さい年長さんの女の子が特に積極的で、一つ一つのことに感想やコメントをくれながら、いい意味でよくおしゃべりしながら聞いてくださっていました。私がお父さんに「実はこの絵本はすでに絶版になっていまして・・・」と、大人の話をしている時のことです。私の斜め後ろにいた女の子から、すぐ、正に間髪入れずに質問が飛び出してきました。
「ゼッパンってどういうこと?」
このお子さんの利発さの理由が分かりますね。毎日こうやって過ごしていらっしゃるのでしょう。お父さんによると、お父さん母さんが子どもの頃からの絵本や児童書が、ご家庭にたくさん並んでいるそうです。(いい本を所有していれば、それは世代を越えて受け継いで行けますね。)
女の子は、絵本もたくさん読んで、大人の会話にもたくさん首を突っ込んで、教科書や塾では教えてくれないたくさんのことに出会っていらっしゃるのだと思います。(まだ年長さん、これから学校なのですが・・・)

・・・毎日をそんな風に過ごしてくれる子どもたち、そういう暮らし環境を整えてあげる大人の人たちに増えて欲しいです。そんなご家庭がたくさんになったら、私たちの絵本展にも、もっとたくさん人が来てくださるはずなのです。

私は30年以上、4~5年ごとにお伺いして、全国各地で絵本を読んで来ました。
その中で、その街全体があまり本を読まなくなると、本を読むように育った子どもたちは、大人になって、やがてその街に残らなくなってしまうことをたくさん見てきました。それがそのまま、街の空気や風景になって行きます。しかし、街全体の取り組みが上手く行くと、そこが少しだけ違ってくる実例にも、いくつか出会っています。
私も愛媛県の片田舎の生まれです。山梨市に限らず、全国の小さな町や村でも、私たちの絵本展のようなイベントが成立する未来を作りたいですね。

さて次回は、3月14日(金)~15日(日)、埼玉県深谷市「深谷駅市民ギャラリー」で開催します。ご予約にはまだかなり空きがあります。お好きな皆さん、是非遊びにきてください。お近くの方には、是非お知らせください。
詳しくは、https://www.gaikokuehon.com

【えほん展ご報告】2月28日(金)~3月2日(日)神奈川県横浜市泉区泉区民文化センター テアトルフォンテ今回は、横浜市泉区に行ってまいりました。6年ぶりです。泉区は、横浜市の西の端にあり、高いビルが少なくて空が広く、まだ緑もそれなりに残って...
03/03/2025

【えほん展ご報告】
2月28日(金)~3月2日(日)
神奈川県横浜市泉区
泉区民文化センター テアトルフォンテ

今回は、横浜市泉区に行ってまいりました。6年ぶりです。泉区は、横浜市の西の端にあり、高いビルが少なくて空が広く、まだ緑もそれなりに残っているエリアです。都市郊外の住宅地らしく一通りのものは揃っていて、横浜中心部へのアクセスも良く、暮らすにも子育てにも、本当にいい環境なのではないでしょうか。子ども人口も少なくありません。前回開催では非常に好評でしたので、6年ぶり、今回も期待しての開催です。

・・・残念ながら、ご予約がなかなか入りませんでした。開催中に口コミで少しずつ増えてきましたが、チラシやSNS広告で、すぐに動いてくださるほどのご興味は、以前に比べると、年々確実に少なくなっています。今は、本以外に楽しいことがたくさん増えて、全国どこも「本離れ」は普通のこと、来て下さる方が貴重なのです。今回、教育現場でお仕事されている先生方や、地域の読み聞かせボランティアで活動されている方が、口々におっしゃっていました。
「今、この辺りは難しいかもしれませんね。特に、コロナが終わったあとの子どもたちの様子がかなり違ってしまったように感じます。」
これも全国同じです。やはり、自粛期間中に、仕方なく届いてしまったモノの影響は、小さくないようです。今回、小学生以上の子どもたちがほとんど来てくださっていませんでした。そして、大きなお子さんが少ない地域では、来て下さっている小さなお子さんたちも、なかなか落ち着いて座ってくださいません。どうにもまとまらなくて、途中でブックトークをやめた時間も、何回か生まれてしまいました。
・・・そんな時間に、いつももどかしく思うこと、それはもう何度も書いてきたことですが、
「大人の皆さん、もっとお子さんを捕まえてあげてください。」
ということです。
“捕まえる” という表現は正しくありません。後ろからしっかり抱きとめてあげて、または、すぐ横に寄り添って、両肩に手を添えて、お子さんのお顔が絵本に向かうように支えてあげて欲しいのです。お顔とお顔を近づけて、頬と頬をくっつけるぐらいに近づけて、「ほらほら、〇〇だよ。」とたくさんお声を掛けてあげて、お子さんの気持ちをこちらに向けてあげて欲しいのです。気持ちをかけてあげて欲しいのです。何度も書いてきましたが、以前は、そういうことがもう少し自然に、当たり前に行われていました。それは、子どもたちの時間を埋めてくれるモノが無かったので、そうせざるを得ないうちに、それが上手くなっていたのだと思います。
・・・今も昔も、子どもたちは気まぐれで自由です。気が向かない時には、プイっとどこかに行ってしまいます。何か他のモノを欲しがります。しかしかつては、その度に、多くの大人の皆さんが、もっと普通に、子どもたちを “捕まえて” くださったのです。しかし今は、立ち上がって歩いて行ってしまったお子さんを連れ戻しても、椅子に座らせるだけで、寄り添う姿は少なくなりました。すぐに、何か気を紛らわすものや、お口に入れるものが出てきてしまうことも少なくありません。
・・・今は子どもたちの側に、すぐに退屈をうめてくれる便利なキラキラツールが溢れています。それも、それぞれがひとりずつ好きなようにしていられるものが多くなりました。多くの子どもたちが、“退屈” や、他の人に合わせることに慣れていません。初めてのことや、好きではないことに向き合うことに、少し我慢しながら探ってみることに慣れていません。 
・・・そして何よりも一番怖いのは、私たち大人が、そんな子どもたちの様子に慣れてしまうことだといつも感じています。皆さん、気付かないうちに、無意識にそうなってしまうようです。子どもたちが、退屈を克服することに寄り添ってあげないことに、慣れてしまうようなのです。
私たちの暮らしに入り込んでいる、楽しいキラキラしたツールは、子どもたちの様子を変えているだけでなく、私たち大人の、子どもたちへのかかわり方も変えてしまっているようなのです。それは、現役のお父さんお母さんだけでなく、私たち、上の世代も同じです。むしろ、若い世代のお母さんたちが頑張っていらっしゃっても、「お爺ちゃんお婆ちゃんが、孫にすぐにあれこれ与えてしまう・・・」というお話も少なくありません。

さて、私たちは本屋です。親子の間に本が入ることの豊かさを知っています。親子で絵本を楽しむことは、最初は必ず、体をくっつけて、ひとつのことを一緒に楽しむことになります。そういう時間が今よりは多かった時代、子どもたち様子も大人の皆さんの様子も、今とはかなり違っていました。

今回、あるお父さんの一瞬の表情が印象に残っています。お父さんと言っても、もうご自身のお子さんは大きくなられて、「絵本は嫌いではないんですよ。」とお一人で来られていました。一番後ろの席で楽しそうに聞いてくださっていましたが、「禎子の鶴」を紹介するときに、私が「今は小学校3~4年生でも、原爆を知っているお子さんが少なくなりました。」とお話すると、「えっ!」と声を出されて、目を丸くしていらっしゃいました。「今は、教科書で習うまで「原爆」と出会うことがないお子さんが少なくないんです。」とお話すると、かなり驚かれていました。実はその一方で、その当事者のお母さん方には、「まだ習ってないもんね。」とニコニコしていらっしゃる方も少なくありません。
同じようなことはたくさんあります。私と同世代以上の方に、「今は、子育ての約20年間のトータルで、お子さんのための書籍代が、5万円に届かないご家庭の方が多いです。」とお話しすると、「信じられない。」という方がたくさんいらっしゃいます。現役のお母さんたちは、「ああ、うちも買わないなぁ。」と笑っていらっしゃいます。
また、ご家庭内に図鑑が並んだ頃には、子どもたちは、いつの間にか「万里の長城」「ナスカの地上絵」「イルカは哺乳類、サメは魚類」なんてことを、しっかりと、または何となく知っていたのですが、最近は、そういうお話をしても「そうなんですか?」というお父さんお母さんも多くなってきました。実は、お兄ちゃんお姉ちゃんがそうならば、下のお子さんたちは、年中さんくらいで「あのね。知ってるよ。」と嬉しそうに話してくれていたのです。・・・もちろん今でも、「うちの子はそっちですね。」と嬉しそうに笑ってくださるお母さんもいらっしゃいます。そんなお子さんは、ブックトークの時に背筋がピンと伸びて、目線はずっとこちらです。そのあとに大人同士でそんな話をしていても、ひとりでずっと絵本を見てくださっています。

・・・特に子ども時代に、たくさんのいい本に出合えることが、その後の一生涯に繋がる幸せであることを、多くの皆さんに思い出して欲しいです。そういう暮らしは、子どもたちだけでなく私たち大人にも、幸せで穏やかな時間をもたらしてくれます。

それが弊社の絵本であれば一番うれしいですが、まずは手の届くところから、実際にご家庭内の絵本を増やしてくださる方が増えてくれたらうれしいです。

さて次回は、3月7日(金)~9日(日)、山梨県山梨市「山梨市民会館」で開催します。ピンチです!新記録が生まれそうなくらいにご予約入っていません。お好きな皆さん、是非遊びにきてください。お近くの方には、是非お知らせください。
詳しくは、https://www.gaikokuehon.com

【えほん展ご報告】2月22日(土)~24日(月休)岐阜県大垣市ソフトピアジャパンセンター今回は、岐阜県大垣市に行ってまいりました。6年ぶりです。今回もご予約がなかなか入らず開催前日の段階ではいつもの1/3ほどで、土曜日はとても寂しい一日にな...
26/02/2025

【えほん展ご報告】
2月22日(土)~24日(月休)
岐阜県大垣市
ソフトピアジャパンセンター

今回は、岐阜県大垣市に行ってまいりました。6年ぶりです。今回もご予約がなかなか入らず開催前日の段階ではいつもの1/3ほどで、土曜日はとても寂しい一日になってしまいました。3連休で仕方が無いのかと思っていましたが、前日当日に一気にご予約が入ってきて、日、月曜日は定員オーバーの時間帯も多くなりました。皆さんありがとうございました。

何だか皆さんとてもお忙しそうでした。今の子どもたち、そしてお父さんお母さんの土日曜日はとても大変ですね。お稽古事やスポーツ、様々な予定が元々入っている中で、絵本展に来られる時間をギリギリまで探していらっしゃるようです。こんなお客様もいらっしゃいました。
日曜日の夜、「明日の10時から、予約サイトでは定員の空きが足りないようなのですが、本当はお友達同士○人で行きたいです。難しいでしょうか。」というお問い合わせメールをいただきました。すぐに「お席は増やせますのでいいですよ。」とお返しすると、「今回は、〇〇に遊びに行く予定を作ってしまったので、またの機会にお願いします。」となってしまいました。この間30分ほどでした。・・・おそらくお友達同士、お子さんたちの3連休を楽しいものにしてあげるために、お母さんたちは本当に頑張ってあげたのだと思います。しかし、「何も予定の無い3連休」というのも、実は贅沢な時間の過ごし方なのではないでしょうか。「絵本展に行けなかったから、いつもとはちょっと違う大きな図書館に行って、お友達同士ゆっくり過ごそう。」なんていうのも、素晴らしい選択肢ですよね。

今の子どもたちに一番足りないことは、「暇と退屈」なのでは無いでしょうか。ということを何度も書いてきました。
学びにおいては、いつも問題と答えを準備されて、目標やゴールがあって、そこに向かう計画も、大人がしっかり最短距離に誘導してしまうことが多くなりました。遊びでさえも、何かを受け身に見ているか、導かれる遊び方、引っ張られる遊び方が多くなりました。
「暇」は、ご自身のスケジュールを自分で決める自由です。そして「退屈」は、遊び方やそのゴール、ルールを自分で考えるようになるための「大切な渇望」ですよね。
特に、スマホ動画のように、いつも楽しいキラキラが届きすぎているお子さんたちは、「退屈」を「面白い」に変えるために、少し我慢して頑張ってみること、探ること、考えて工夫することが苦手なようです。 (・・・ここのところ、絵本を読んでいても、黙って聞いて考えている時間が耐えられないお子さんが本当に増えています。「これなーんだ?」という “当てっこ遊び” 以外、なかなかこちらに目を向けてくださらないお子さんが本当に多くなりました。そういうお子さんたちは、「A、B、C・・・とご自身の得意なことには元気いっぱいですが、物語を読み始めると急にモジモジし始めて、時には、悲しいお話でみんながシーンとしている時でも、「ねぇねぇ、さっきみたいに問題出してぇ。」とお話を遮られることが、一度や二度ではありません。そのお子さんは本当に悪気無く、可愛く無邪気にニコニコしていらっしゃるので、何とも言えない気持ちになります。)

・・・子どもたちのスケジュールが、いつも何かで埋まっている時代、また、ご家庭内にも、すぐに時間を埋め尽くしてしまうツールが溢れかえっている時代、絵本をゆっくり眺めるような時間、絵本でなくても様々なことに、そんな向き合い方、心や頭の使い方で過ごすことが、私たちを(子どもたちだけでなく大人も)本当に豊かにしてくれることを思い出して欲しいです。特に子どもたちにとっては、何の目的もゴールもなく、ただ自由に絵本をめくるような時間が、実は彼らを一番確実に成長させてくれること、そして、私たち大人にとっては、気持ちや時間、そしてお金の面での毎日の負担を、かなり少なくしてくれることも思い出して欲しいです。

正しい「暇と退屈」があって、その傍らにいい絵本や児童書が並んでいれば、子どもたちは必ず見てくれます。しかし、そういう時間が流れる家庭環境のためには、やはり、私たち大人がかなり気をつけて、また、ある程度のお金も使うことが必要ですね。
いい絵本、書籍は決してお安くはありません。(弊社の絵本は特に高くてすみません!)しかしご家庭に、幼児期だけでは終わらない絵本や書籍をたくさん並べてあげて、長い時間をかけて、ゆっくりそれらに向き合いながら子ども時代を過ごすということが、おそらく、同じ “金額” の習い事や現代風の娯楽よりも、子どもたちに多くのことをもたらしてくれることは、ほぼ間違いではありません。

最後に、可愛いエピソードをご紹介します。まだ2~3歳の小さな女の子です。
ブックトークが始まる前のご挨拶で、私が「今は本を買わなくなりました。かつては各ご家庭が、ある程度はお金も使って、子どもたちの側に本を並べてあげていました。本は買うものでした。今、売れているのは、子どもたちがすぐに飛びつくタイプのものばかりです・・・」とお話しするのを、その子は一生懸命聞いてくださっていました。ご挨拶が終わって、「さあ始めます!」のところで、女の子は一生懸命こちらに訴えてくれました。
「あのね。〇〇ちゃんはね。本たくさん読むんだよ。えーとね、お金を使わなくても本をたくさん持ってきていいところがあってね・・・。知ってる? “図書館”って言うんだよ・・・。」
小さい子でも、大人の話をよく聞いています。そして、分かっていますね。こういうお子さんだからこそ、是非、本を買って与え続けてあげて欲しいです。
大人の皆さん、図書館と書店を上手く使い分けながら、子どもたちに本をたくさん届けてあげてください。たくさん借りて、そして買ってください。子ども向けに終わらず、成長とともにずっと楽しめるような絵本、児童書は、 “一生もの” として是非ご家庭に持ってください。そういう本は、次の子どもたちにも引き継いで行くことも出来ます。

ご家庭内に、大人も子どもも一緒に喜べるような本が並んだ一角があるかどうか。子どもたちが、その後出会う刺激的なモノに捕まってしまうのか、それとも、それらと上手に向き合ってくれるのかどうか。かなり大きな影響があるようです。

さて次回は、2月28日(金)~3月2日(日)、横浜市泉区「区民文化センター テアトルフォンテ」で開催します。今回もかなりご予約が少なめです。都会の住宅地、子どもたちが忙しそうな地域ですね。絵本でゆっくり笑ったり泣いたりしませんか。お好きな皆さん、是非遊びにきてください。お近くの方には、是非お知らせください。
詳しくは、https://www.gaikokuehon.com

【えほん展ご報告】2月15日(土), 16日(日)埼玉県鴻巣市鴻巣市文化センター クレアこうのす今回は、埼玉県鴻巣市に行ってまいりました。なんと11年ぶりです。埼玉県のほぼ中央にある鴻巣市、弊社からはお伺いしやすい距離にありますが、かなり久...
18/02/2025

【えほん展ご報告】
2月15日(土), 16日(日)
埼玉県鴻巣市
鴻巣市文化センター クレアこうのす

今回は、埼玉県鴻巣市に行ってまいりました。なんと11年ぶりです。埼玉県のほぼ中央にある鴻巣市、弊社からはお伺いしやすい距離にありますが、かなり久しぶりになってしまいました。前回の開催、ほとんどお客様が来てくださらず、当時としても非常に寂しい2日間になってしまったことが、記憶にも記録にも残っています。しかし、その4年前に行ったときには大盛況だった記録が残っていて、それがたまたまなのか、地域の本離れが一気に進んだタイミングなのか、興味深いです。さて今回は・・・?

・・・残念ながら、今回もご予約がなかなか入らず、ちょっと寂しい2日間となってしまいました。そして今回も、最近毎週感じていることを、とても強く感じさせられました。
それは、ここに何度も書いてきたことなのですが、
「お父さんお母さん、そして、お爺ちゃんお婆ちゃん、小さいお子さんたちを、もっと支えてあげて、フォローしてあげて下さい。」
ということです。それは、身体的に、しっかり捕まえてあげて、抱きかかえてあげて、寄り添ってあげて、ということでもありますが、もっとお顔を近づけて、たくさん声を(気持ちを)かけてあげてください。ということです。
おそらく皆さんは、「何でそんなことを言われなければならないの? 私たちはしっかり愛情を注いでいます。」というお気持ちだと思います。しかし、30年以上たくさんの親子さんを前に絵本を読んできた者としては、かつての目の前の親子の距離と、今の距離が明らかに違うのです。私たちを取り巻く環境の変化が、そうさせてしまっているようなのです。

いつの時代でも、子どもたち、特に小さいお子さんたちは、知らないことや初めて出会うことには、最初から興味を示してくれるわけではありません。そして集中力は続きません。椅子からもズリ落ちます。しかし以前は、私の目の前で、その度にお父さんかお母さんが、お子さんを真っ直ぐに支えてあげたり、抱きかかえてあげたりして、お顔を近づけて私の方を指さしながら、「ほらほら・・・」と、こちらのお話を通訳するように中継してくださることが、ほとんどだったのです。まだ小さな0歳の赤ちゃんでも、抱き起こしてこちらにお顔を向けてくれて、絵本に “気が向く” ようにしてくださるお父さんお母さんが少なくありませんでした。今は、楽しそうに頷いて聞いてくださっているお父さんお母さんでも、赤ちゃんを後ろ向きに抱っこして、私は赤ちゃんの後頭部に話しかけていることの方が多くなりました。少し大きなお子さんには、すぐに何か気を紛らわす、絵本ではない他のものが与えられることも少なくありません。

ご家庭の中に、子どもたちが退屈しないでいい、たくさんのキラキラしたモノが溢れるようになると、私たち大人は、子どもたちをフォローしないこと、導いてあげないことに慣れてしまうようです。明らかに、そういう状況が増えています。それは、若い世代だけでなく、お爺ちゃんお婆ちゃん世代でさえもそうなのです。そしてそういったことはおそらく、絵本だけでなく毎日の生活の中、すべての場面でそうなのでしょう。かつてであれば、ほとんどの子どもたちが、生活の中で知らないうちに学んでしまっていた事柄や物の名前などが、子どもたちの心や頭に届いていないことがよく分かります。

もちろん、今でも、まだ数か月の赤ちゃんにでも、お子さんのお顔と絵本を交互に見つめながら、「ほらほら〇〇だって」と、お顔とお顔を近づけて、盛んにお声がけしてくれているお父さんお母さんはいらっしゃいます。そういう赤ちゃんは、とても強い真っ直ぐな目でこちらを見つめてくださって、明らかに何かを考えるお顔をして、最初から最後まで聞いてくれます。そしてそれが続けば、もう2~3歳で、大人が支えなくても背筋は真っ直ぐ、ずっと集中してお話を聞いてくださるようになって、親も子ももっと毎日が楽しくなることを、ちょっと忘れてしまった皆さんには、思い出して欲しいです。

・・・素敵なエピソードも一つ。
日曜日に、私もよりも少し先輩世代のご夫婦が来てくださいました。ご予約時のメモには、「前日に来た娘にすすめられて」とありました。お伺いすると、土曜日に、1歳のお子さんと一緒に来てくださった若いご夫婦、その奥様のご両親でした。その若いご夫婦は、まだ小さなお子さんにも絵本を見せてくださいながら、とても熱心に聞いてくださっていました。ご夫婦ともに、子どもの頃に本をたくさん与えて貰っていたことに感謝があって、お子さんにはたくさん本を揃えてあげたいと思っていたとのこと。当然のように私たちの絵本を欲しがってくださいましたが、私たちの「絵本全集」は、若いお二人には、決して安い買い物ではありません。しかし、お二人は私の前でしっかり話し合ってくださって「どうせ本にはたくさんお金をかけるつもりだったし・・・」と、私たちの絵本を迎えてくださることになっていたのです。お若いご主人が「子どものためだけじゃなく、僕たちも読んでみたいし、いいんじゃない?決めようよ。」と言われた時の、奥様のうれしそうなお顔が今も思い出されます。
お爺ちゃんお婆ちゃんにあたられるご夫婦も、とても楽しそうにブックトークに参加してくださって、その後も絵本を見てくださっていました。昨日の娘さんご夫婦の様子を私がご紹介すると、お二人は本当にうれしそうでした。絵本のお値段をお伝えしても、若いお二人が、絵本を持つことにそれだけの価値を見出してくださったことを喜んでくださいました。特に、お母さんの一言が忘れられません。
「娘がそういう子であることが、うれしいです。でもまあ、そういう風には暮らしてきました。それよりも、〇〇君(義理の息子さん)が、そういう子でいてくれたことが本当にうれしいです。今日は、娘にすすめられて来てよかったです。絵本も良かったけど、何よりも、それを知れたのが本当に良かったです。」
と、少し涙ぐんでいらっしゃいました。
絵本にまつわる、親子の素敵なエピソードがまた一つ増えました。

さて次回は、2月22日(土)~24日(月休)、岐阜県大垣市「ソフトピアジャパンセンター」で開催します。3連休だからでしょうか。今回も、かなりご予約が少なめです。実はかなりピンチです。お好きな皆さん、是非遊びにきてください。お近くの方には、是非お知らせください。
詳しくは、https://www.gaikokuehon.com

【えほん展ご報告】2月7日(金)~2月9日(日)静岡県磐田市竜洋なぎの木会館今回は、静岡県磐田市に行ってまいりました。6年ぶりです。磐田市は、静岡県の西部、浜松市の東に、天竜川を挟んで隣接します。最強寒波で日本海側は大雪でしたが、磐田市は晴...
11/02/2025

【えほん展ご報告】
2月7日(金)~2月9日(日)
静岡県磐田市
竜洋なぎの木会館

今回は、静岡県磐田市に行ってまいりました。6年ぶりです。磐田市は、静岡県の西部、浜松市の東に、天竜川を挟んで隣接します。最強寒波で日本海側は大雪でしたが、磐田市は晴天、かなり強い日差しもありました。しかし、到着して車を降りての第一印象は、「寒い!風が強い!」 でした。とても強い風が、北西からビュービュー吹き続けています。これぞ “遠州からっ風” ですね。
お借りした「竜洋なぎの木会館」は、磐田市の南西の端、旧竜洋町にあたる地域にあります。磐田市には、別の場所に、新しくできた文化施設がありますが、そちらはなかなか空きがなく、今回初めてこの施設をお借りいたしました。
少し市の中心部から離れているためか、ご予約がなかなか入りませんでした。(それでもそんなに時間はかかりません。)来てくださったお客様の半数近くが、チラシの配られていない浜松市や、袋井市を挟んで少し離れた掛川市からのお客様だったことを考えると、ちょっと残念でした。少し前に開催した掛川市が非常に盛況だったのですが、その時のお客様のご紹介だったようです。

今回感じたこと、それは、皆さんとてもいい方ばかり。良くも悪くも、色々なことに、ゆっくりのんびり向き合っていらっしゃるなあ、ということでした。まさに静岡県です。(私は元静岡県民、9年半静岡市で暮らしました。“のんびり”は、静岡のいいところです。)
今回、多くの皆さんが「絵本はいいですよ。」「大切ですよ。」「かつてはもう少し自然に子どもたちに絵本が届いていましたよね。」というお話に、心から頷いてくださいました。子どもたちもよく聞いてくださいました。ご家庭内の読み聞かせや、子ども部屋に本を増やしていく、ということを、“普通に” 大切にしていらっしゃるようでした。しかし、“普通に” です。“強く意識して” ではないようでした。

今回、なるほどなぁ、と感じたのは、ほとんどのお家で、下のお子さんの集中力があまり続かなかったのです。同じ3歳、4歳でも、上の子なのか、下の子なのか、一人っ子さんなのか、で全く感じが違っていました。どうしても下のお子さんがすぐに飽きてしまって、絵本ではない他のモノを求めてしまったり、すぐに立ち上がって歩いてしまったのですが、多くのお父さんお母さんが、「まあ下の子で小さいから」とそのまま受け入れてしまっているようでした。お兄ちゃんお姉ちゃんが同じ年の時には、少し様子が違ったのではないでしょうか。
お爺ちゃんお婆ちゃんには、お孫さんが絵本を見ずに後ろを振り返ってしまった時に、すぐに手遊びであやしてしまったり、お子さんの要求通りに一緒に歩いてしまう方も少なくありません。(そのことで、せっかく聞いていた他の小さい子も、そちらにむかってしまうことにも、気付いてほしいですね。実は、こういった場合の大人の対応の仕方が、ひと世代前は少し違っていたのです。)
今回、下のお子さんがそんな様子でいらっしゃっても、上のお子さんは、とてもよく聞いてくださっていました。おそらくお一人目のお子さんには、小さい頃から、図書館を使ったり買ったりして、“普通に” 絵本や、“親子の対話” がたくさん届いていたのだと思います。そして、スマホやゲームには、ある程度大きくなってから出会われたのではないでしょうか。
しかし今は、子どもがいるご家庭内には、子どもたちが喜ぶ「キラキラツール」がたくさん増えてしまう時代です。そういったものに、少しずつ出会っていった上のお子さんと、ある程度揃った中に生まれてくる下のお子さんでは、実はかなり違う環境で育つことになることを、多くの方は、あまり強く意識していらっしゃいません。おそらくそういった刺激的な楽しいモノと、下のお子さんは、早くから “普通に” たくさん出会ってしまわれるのです。そして、モノと向き合う時間が増えれば、当然、“親子の対話”も少なくなりますね。
・・・今は、「何から守ってあげるのか」そして「何を並べてあげるのか」を、大人がみんなで協力して、よほど強く意識して整理しないと、“普通に” では、結局、とても強い「現代的な刺激的なツール」に、大人も子どもも、あっという間に時間を埋められてしまいます。そして私たち大人は、子どもたちの幼い振る舞いを気にしなくなるようです。

実は今回、いつも以上に、お父さんもお母さんも、私が偉そうに話すかなり面倒な話にも、皆さん熱心に耳を傾けてくださって、しっかり頷いてくださる方ばかりでした。弊社のご案内する、決して安くはない絵本全集を具体的に欲しがってくださるご家庭も少なくありませんでした。しかし、しっかり “決めて” くださるご家庭は多くはありませんでした。後ろ髪を引かれながら、今後のコンタクトの方法を聞かれる方が、いつも以上に、とても多くいらっしゃいました。また、お母さんがかなり欲しがってくださっても、お父さんがちょっと苦笑い、というご家庭が多くなりました。

思い切ってお伝えしたいと思います。全国を回っていていつも感じていることです。
これは「弊社の絵本を」という意味では、決してありません。
「買う」でも「買わない」でも、しっかり決断してくださるご家庭、そして、お父さんのご賛同が多いご家庭では、上のお子さんがしっかり落ち着いてくださっていれば、下のお子さんが同じように、もしくは “それ以上に” 落ち着いてくださっていることが多いのです。—「買わない」であっても、決断がはっきり出るご家庭は、同じように「ゲームはまだ買わない。」「スマホもまだ」「習い事はこれ!」という選択と決断ができているようで、いつもそこに感心させられます。
本屋ですから、“本” に話を戻すと、今は、お子さんを本好きに育ててあげるには、特に、大きくなっても本から離れないようにしてあげるには、かなり強い “意識と環境づくり” が、そしてそこには、ご家族みんなの協力が必要です。おそらく、そうしてあげた方が、お子さんの(実は大人も)楽しめることや、興味や関心は増えていき、お子さんご本人の毎日がもっと楽しくなって、その後の各方面への可能性が膨らむことがほぼ間違いないことを、たくさんのお客様、子どもたちが教えてくださいました。そしてまた、子どもと一緒に使わなくてはならなくなるお金の質と量も変わってくるはずです。

(さて、「かなり強い意識と環境づくり」なんていうと、本当に大変でしんどいので、「本が好きならジャンジャン買えばいいんだよ。どうせ他のことに、ある程度の贅沢はしちゃってるんだから・・・」とみんなが思ってくれたらいいのになー、と本屋の私は勝手に思っています。)

素敵なお客様は、今回も写真でご紹介します。

さて次回は、2月15日(土), 16日(日)、埼玉県鴻巣市「鴻巣市文化センター クレアこうのす」で開催します。今回も、かなりご予約が少なめです。まだかなり空いてます。お好きな皆さん、是非遊びにきてください。お近くの方には、是非お知らせください。
詳しくは、https://www.gaikokuehon.com

【えほん展ご報告】1月31日(金)~2月2日(日)愛知県みよし市カネヨシプレイス(みよし市勤労文化会館)今回は、愛知県みよし市に行ってまいりました。6年ぶりです。みよし市は、自動車の街豊田市の隣、そして名古屋市にも近い距離にあり、どちらにも...
04/02/2025

【えほん展ご報告】
1月31日(金)~2月2日(日)
愛知県みよし市
カネヨシプレイス(みよし市勤労文化会館)

今回は、愛知県みよし市に行ってまいりました。6年ぶりです。みよし市は、自動車の街豊田市の隣、そして名古屋市にも近い距離にあり、どちらにも通えるベッドタウンとして開発され、若い世代が多く暮らす街です。交通の便もよく、“住みやすさランキング” でも度々上位に上がります。やはり豊かな地域で、子どもたちのお稽古事や塾通いも盛んな街です。
しかし前回は、そういうエリアの良くないところが出てしまって、やや残念な記録が残っています。習い事で忙しいのか、お客様は非常に少なく、また、来てくださった小さな子どもたちも、「ゆっくりお話を聞く」「問題や答えが与えられない世界や物語を楽しむ」「ご自身が知らないことに向き合う」ということが苦手なお子さんが多く、立ったり座ったりが激しく、落ち着かない時間が続いたことが記録に残っています。 ― 私たちは、習い事過多は、"受け身" という点において、ゲーム過多とあまり変わらないことを感じています。
ふらっと立ち寄られた、トヨタ自動車の研究者をリタイアされた年配の男性(それもかなりのポジションにいらっしゃった方)は、絵本を絶賛してくださいながら、お客様の少なさを残念がってくださいました。私たちがお伝えする子どもたちの現状には、「こういう絵本が売れなくなると、その国には、もう優秀なエンジニアや研究者は育たないなあ。」と嘆かれたことを、このフェイスブックにも書いたことがあります。

6年ぶり、どうなるでしょう。 ・・・今回もなかなかご予約は入らず、街の規模や人口構成からすると、やや寂しい3日間となりました。
しかし!、来てくださった皆様は日ごろから絵本に親しまれていることが分かるご家族が多く、子どもたちもよく聞いてくれる、とても落ち着いた、充実したブックトークが続きました。皆さんありがとうございました。
お父さんお母さん方には、「子どもの頃には、たくさん本を与えてもらっていました。」といわれる方が多く、今もお家には本がたくさん並んでいます、というご家庭が少なくありません。先週と同じですね。やはり、子どもの頃に「本にお金を使う」ことの楽しさと豊かさに出会っていると、それは大人になっても、そして次の世代へと受け継がれていきます。

ご紹介したいエピソードがたくさんありますが、その中から1つだけご紹介します。
土曜日の夜、久しぶりに大きい子たちが集まってくださった時間がありました。お一組は、お母さんと姉妹、23歳の保育士さんと16歳の高校生です。お母さんは図書館で働いていらっしゃるとのことでした。もうお一組は、ご両親に、中学3年生、1年生の姉妹、それに4年生の弟さんです。以前は、夕方以降の時間に、部活帰りの中学生や高校生たちが、大人とは別に自分たちで立ち寄ってくれることも珍しくありませんでしたが、この年代がこれだけ集まってくださったのは久しぶりです。今は、保育士さんや学校の先生でも、ご自身にお子さんがいらっしゃらない年代の方はほとんど来てくださいません。本当に、懐かしい感じの時間でした。
他に年配の本好きの女性がお二人いらっしゃいましたが、当然、深い話がたくさんできる、素晴らしい時間になりました。今、10代のお子さんたちには、連れて来られて面倒くさそうにしている子も少なくないのですが、子どもたちは、みんな積極的に楽しんでくださいました。とても落ち着いていらっしゃって、大人の集まりで話している感覚になるときもありました。しかし、中学生の女の子は、お話の一つ一つに、目をキラキラさせて、「えっ!あれっ !」とか「あっ、そうか。分かった !」と声を上げながら、無邪気な真っ直ぐな反応も示してくださいます。
いつも思うこと、そして何度も書いてきましたが、絵本展に来て楽しんでくださる子どもたちは、程よく大人です。そして、子どもらしい素直さを残していらっしゃいます。そして、お父さんお母さんとの距離感が、近すぎず遠すぎずという感じで、とても気持ちのいいものです。おそらく子育ての大変さも違うのではないでしょうか。
3人のお子さんのお父さんは、大学の工学系の先生でいらっしゃいました。当然のように一冊一冊の絵本の作りこまれた見事さを楽しんでくださって、前述の、元研究者の年配男性のお話をご紹介すると、強く共感してくださいました。

フリータイムに、その3人姉弟のお母さんが、もう一組のお母さんにお声をかけられました。
「図書館の方ですか。この子(下の男の子)が、あまり本を読まないので、どんな本がいいか相談にのっていただいたことがあります。どこかでお見かけしたことがあるなあ、と考えていたんです。」
・・・そうおっしゃっていますが、ブックトーク中の息子さんの様子は、とてもそんな風には見えませんでした。今どきの10歳の男の中では、かなりしっかりと楽しんでくださって、受け答えもしてくれていました。なんだかんだで、それなりに本を読んでいらっしゃるのではないかと思います。・・・この時間の、高校生、中学生、小学生たちは、私がこの仕事を始めた30年前、今よりはご家庭に本が並んだ頃の子どもたちのような落ち着きと、子どもらしい集中力を持っていました。そうなっていらっしゃるのには、お父さんお母さんが、小さい頃から、そうなるように暮らしていらっしゃること、自然にそう仕向けていらっしゃることが分かりました。

「どこかでお見かけしてたことがある・・・」という会話の中で、照れていらっしゃるお母さんを指さしながら、保育士の娘さんが「そうなんですか。まったく、分かりやすい顔ですいません。」と笑っていらっしゃったのが、面白かったです。

さて次回は、2月7日(金)~9日(日)、静岡県磐田市「なぎの木会館」で開催します。今回も、かなりご予約が少なめです。まだかなり空いてます。お好きな皆さん、是非遊びにきてください。お近くの方には、是非お知らせください。
詳しくは、https://www.gaikokuehon.com

【えほん展ご報告】1月25日(土), 26日(日)静岡県掛川市掛川市生涯学習センター今回は、静岡県掛川市に行ってまいりました。5年ぶりです。今回、掛川市での開催には、本当に特別な思いがありました。前回の開催は、2020年2月1日2日、その頃...
28/01/2025

【えほん展ご報告】
1月25日(土), 26日(日)
静岡県掛川市
掛川市生涯学習センター

今回は、静岡県掛川市に行ってまいりました。5年ぶりです。今回、掛川市での開催には、本当に特別な思いがありました。
前回の開催は、2020年2月1日2日、その頃からコロナウィルスの感染拡大が本格的になり、各地の様々なイベントが中止を余儀なくされ始めました。そして私たちも、掛川市以降に計画していた「がいこくえほん展」 を、すべて中止にすることを決めました。掛川市は、コロナ自粛前最後の開催だったのです。またその当時、私たちの絵本展には、今以上にお客様が集らなくなっていて、元々大変な時期でした。実は、色々なことを見直して準備するために、前年12月末の開催の後、1か月間お休みして、掛川市は、満を持して、2020年の最初の開催でもあったのです。
・・・大盛況でした。ブックトークもほとんどの時間が満席となり、お父さんのご来場も多く、子どもたちもよく聞いてくださって、私たちのご案内を、とてもポジティブに捉えてくださるご家庭がたくさんでした。結果的に、その後私たちの絵本をお届けできたご家庭も、とても多くなりました。当時の記録には、いいことしか書かれていません。
今年はこの調子で行きたいな、と思っていたのですが、翌週から、あの絶望的な自粛期間が始まったのです。当初は、それが数年続くのではないかという恐怖がありました。元々余裕の無い小さな会社にとって、数か月の業務ストップは命取りです。掛川市での「がいこくえほん展」が、憧憬社の最後になってしまうことも覚悟しながら、ほとんど何も出来ないままに、毎日を過ごしていたことを思い出します。

今回、「5年ぶりに、また掛川市に行くことができる」というのは、とても感慨深いものでした。
・・・しかし今は、5年で子どもたちの様子はガラッと変わります。また、コロナの自粛以降、親子の間にスマホやタブレットが、いつも存在することが当たり前になっています。前回のような、ポジティブな2日間になるのでしょうか。掛川市でも、本離れの現実に向き合うのでしょうか。そういう意味でも、期待と不安の開催でした。

・・・とてもうれしい2日間でした。
小さなお子さんがご一緒の、若い世代のお客様が多かったのですが、お父さんもたくさん来てくださって、そして、皆さん絵本に対してポジティブでした。子どもたちもよく聞いてくださいました。1~2歳の小さなお子さんでも、途中で立ち上がることなく最後まで参加してくださるお子さんがほとんどでした。(ひと世代前は全国でそうだったんですよ!) ここ最近は、「禎子の鶴 (原爆の絵本)」が読めないままに、楽しい絵本だけで終わる時間が増えていたのですが、今回は、すべての時間で読めました。また最近は、どうしても立ち上がって動いてしまうお子さんの対応で、あまりお話を聞けないままになってしまうお父さんお母さんも多いのですが、今回は、それがとても少なかったのです。

いつもよりも、皆さんが、絵本やこちらのご案内にポジティブだった理由は明らかです。今回、いつもと違っていたのは、お父さんお母さんに、ご自身が子どもの頃にたくさん絵本や本を与えてもらって、それを「良かった」と感謝していらっしゃる方が、確実にいつもよりも多かったのです。
うれしいお客様がたくさんいらっしゃいました。

あるお母さんは、ご自身が子どもの頃、私たちと同じような海外絵本の全集を買って揃えてもらっていて、それがとてもうれしくて、たくさん楽しんだとのことでした。お伺いしてみると、それは、私たちが憧憬社を立ちあげる以前に、大手書店の一部署として手掛けていた絵本全集でした。お母さんは、ご自身のお母さんに感謝しつつ、当然のように私たちの絵本を迎えてくださることにななりました。
絵本が並ぶ喜びや価値を感じる心が受け継がれることに、かつて自分たちがお届けしたものが少しでも役に立っていることを、本当にうれしく思いました。

またある若いご夫婦は、お二人でとても楽しそうに見てくださいました。奥様は保育士さんとして働かれています。実は前回の開催に来られていて、「前回、いい絵本にたくさん出会えたから、今回も期待して・・・」と、嬉しいことをおっしゃってくださいました。当時独身だった奥様は、決してお安くはない私たちの絵本全集を、本当に迷って購入は見送られたそうです。
ご夫婦は、まだご結婚1年ほどの新婚さんです。30代前半のご主人も、とても楽しそうに聞いてくださって、そして時には「凄い!」と感動してくださいました。ご主人は、子どもの頃、厚紙のカバーに入った、分厚い表紙の童話全集を揃えてもらっていて、それを毎晩読んでもらったそうです。「“トム・ソーヤの冒険” や ”ロビンソン・クルーソー” が大好きでした。」とおっしゃいます。今、30代前半の男性で、そういうお話になることはかなり珍しくなりました。若いお二人には、私たちの絵本は決してお安くはありませんが、ゆっくり悩まれて、絵本を迎えていただけることになりました。お二人で話し込まれた後、奥様が振り返って、「買ってくれるそうです!」と嬉しそうに笑ってくださったお顔が印象に残っています。本好きの旦那様と出会えてよかったですね。

うれしい再会もありました。日曜日に来てくださったお母さんと8歳の女の子、3年前の浜松市中区での開催で、絵本全集をお届けしたご家族です。その後、浜松市での別の会場にも来てくださっていて、今回が3回目となります。今回は、お父さんは用事で来られませんでしたが、お母さんが1時間ほど運転して来てくださいました。お母さんによると、女の子は、「がいこくえほん展、浜松に来ないねえ。また来てくれないかなあ。」と時々思い出したように、何度も言ってくださっていたようです。うれしいですね。今回も、ご自身が知っていらっしゃる絵本も、新しく入った絵本も、他のお客様がいなくなる最後まで残って、とても熱心に見てくださいました。ありがとう。
その他、前回の開催で絵本をお届けしたご家族も複数来てくださっていました。ご紹介しきれず申し訳ありません。

・・・今回は、「子ども時代に、ご家庭内に絵本や本が並ぶこと」の豊かさを、ご自身がそれを経験されて、知っていらっしゃる大人の方がたくさん来てくださっていました。いつもは、現役のお父さんお母さんには、やや辛く思われるような私の話にも、そうですよね。と頷いてくださる方がたくさんいらっしゃいました。そして、私たちの絵本の価格をご紹介した時に、あまり驚かれず、「まあ、そういうものですよね。」と、ストンッと納得してくださる方がたくさんいらっしゃいました。
いい本は決して安くはないこと、そして、そこにお金を使うことは、決して無駄ではないことを、心から本気でそう思っている方がたくさん来てくださっていたのです。そして何よりも、そういう大人の方が多いと、子どもたちも、座ってよく聞いてくれて、笑ったり泣いたり、よく楽しんでくださるのです。
・・・掛川市は、またうれしい印象を残してくれました。たまたまでしょうか。こんな会場に増えて欲しいと思います。暮らしの中に本を並べることを楽しむ方に増えて欲しいと思います。

さて次回は、1月31日(金)~2月2日(日)、愛知県みよし市「カネヨシプレイス みよし市勤労文化会館」で開催します。今回はご予約が少なめです。まだかなり空きがあります。お好きな皆さん、是非遊びにきてください。
詳しくは、https://www.gaikokuehon.com

【えほん展ご報告】1月17日(金)~19日(日)埼玉県越谷市越谷市中央市民会館今回は、埼玉県越谷市に行ってまいりました。7年ぶりとなりました。埼玉県の南部にある越谷市、東京に通勤する人も多く暮らす街です。また、市の南部にある2008年に“街...
21/01/2025

【えほん展ご報告】
1月17日(金)~19日(日)
埼玉県越谷市
越谷市中央市民会館

今回は、埼玉県越谷市に行ってまいりました。7年ぶりとなりました。埼玉県の南部にある越谷市、東京に通勤する人も多く暮らす街です。また、市の南部にある2008年に“街開き”された新しい街「越谷レイクタウン」には、日本最大級のイオンモールやアウトレットなどがあり、その周辺には新しいマンションや戸建て住宅が並びます。今も、新しく大きくなっていきます。当然、若い世代も多く暮らします。
越谷市では、過去に何度か開催しておりますが、正直、“本離れ” の現状を強く感じてきた地域です。特に、お父さんのお客様が少ないことが、いつも記録に残っています。今回はどうなるでしょうか。

なかなかご予約が入らず心配しましたが、今回も直前にバタバタと埋まって、土日曜日の昼間の時間はほぼ満席となりました。皆様ありがとうございました。しかし、やはりお父さんのご予約は少なくなりました。また、当日になって、実際には来てくださらないお父さんも少なくありませんでした。また、せっかく来てくださっても、あまり絵本を手に取ることなく、座ったままスマホを触っていらっしゃったり、ブックトークの途中で出ていかれるお父さんの姿が気になりました。時々集中力を切らしながらも、それなりに聞いてくださっていたお子さんが、もし、お父さんが中座されなかったら、おそらく最後まで座っていてくださったのだろうと思うとかなり残念でした。

今回、本当に皆さんにお伝えしたいのは、「子どもたちの気持ちが絵本に向くように、大人が振舞ってあげて欲しい。」ということです。
私たちのブックトークでは、お話を聞くことにあまり慣れていない現代っ子たちが、何とか聞いてくださるように、最初に導入の遊びを入れて、また絵本の順番も、子どもたちが飽きないように、また飽きてもまたこちらを見てくれるように、かなり計算して組み立ててあります。そのため「皆様が揃ってからスタートします。」とお願いしてあるのですが、今回は、大幅に遅れてくるご家族が、いつもより、本当に多かったのです。お子さんがご一緒だと、思い通りには行かないものですが、それでも時間を通りに来てくださって、ずっと待ってくれている小さなお子さんがいらっしゃることも事実です。
また、子どもたちが出来る限り集中するように、子どもたちの “気が散る” ものは持って来ない、または、大人の鞄の中にしまっておいて欲しいのですが、最近は、“うーん” ということが増えました。中には、こちらで絵本を読んでいるのに、お子さんがいつも見ていらっしゃるキャラクターの絵本をすぐに手渡してしまわれる大人の方もいらっしゃいます。スマホで無いだけまだましですし、お子さんが騒いでしまわないご配慮なのだとは思いますが、その前に、もう少しお子さんに寄り添って、こちらに注意が向くように声をかけて、フォローしてあげて欲しいです。
また、モノやおもちゃだけでなく、例えば歩くと音の出る靴や、キラキラ光る靴も、お子さんがお話を聞くことの邪魔をします。その靴が悪いわけではありません。子どもたちにとってはうれしい宝物です。しかしお出掛けの時に「今日は違うよ。絵本を見に行くから、違う靴にしようね。」という空気を大人が作ってあげるだけで、子どもたちの聞き方は全く違ってくることを知って欲しいです。
また最近は、少しお子さんが聞けないだけで、すぐにお外に行ってしまうお父さんお母さんが増えました。もう少し、お子さんを抱き止めてあげて、こちらを指さしながら、お子さんの興味をつなぐ『声掛け』をしてあげて欲しいと思います。スマホが普及して、子どもたちの様子は本当に変わりましたが、実は子どもたちだけでなく、大人が子どもに寄り添わなくなったこと、声掛けをしなくなったことも、大きな変化の一つです。

そんな中、今回も、子どもたちは素晴らしい反応を見せてくれていました。「禎子の鶴(原爆のお話)」が読めた時間には、やはり子どもたちが、体をまっすぐにして、その日一番の鋭い目で聞いてくださったのは、この悲しい戦争のお話でした。
ある時間には、2歳の小さな女の子が、やや疲れてきて、少しグネグネしながら「もうお外に行きたい。」と言われていましたが、私が、その子の目を見つめて、ただ心を込めて「禎子の鶴」を読んであげると、その子は、すぐに静かに何かを考えるように聞いてくださるようになりました。その様子に気付いてくださった大人の方がどれくらいらっしゃったでしょうか。 ・・・「聞きなさい。」ではありません。絵本に語り部として登場する黒猫の気持ちになって、その子の目を見つめて、心を込めて悲しみを訴えただけです。意味は分からなくても、子どもたちは何かを感じてくれます。
そして何より、私がこの女の子の目をとらえることができたのは、お母さんが、何とか聞いてくれるようにと、その子の体を支えて、こちらに向かせようと奮闘してくださったからです。もし出ていかれたり、何か他のモノを渡されてしまったら、読み手はその子に、気持ちを送り続けることは出来なくなってしまいます。

今回、幼稚園や1年生くらいのお子さんに、フリータイムになって、「もし今爆弾が爆発したら、どこに隠れたらいいの?」とか、「爆弾は今もあるの?みんな死ぬの?」と一生懸命聞いてくださった子どもたちがいらっしゃいました。私は正直に答えました。「もし今、原子爆弾が爆発したら助かる方法は無いだろうね・・・。」「みんな死ぬの?」「うん多分ね。だから、そんなバカな爆弾を使わなくいいようにどうしたらいいか、みんなで考えるしかないんだよ・・・。」子どもたちの真剣な表情を、大人の皆さんに知って欲しいです。
・・・そのお子さんたちも、「禎子の鶴」が終わって、最後に読んだ賑やかな楽しい絵本のことをとても気に入って、欲しがってくださるのですが、やはり「禎子の鶴」は子どもたちの心に食い込んでいます。子どもたちは、しっかり受け止めてくれています。
一方で最近は、大人の皆さんが「この本が欲しいのですが、これはおいくらですか?」と聞いてくださるのは、その楽しい絵本ばかりになりました。私たちも、その絵本が大好きです。しかしその絵本は、遊びや仕掛け、登場するたくさんのキャラクターの楽しさが目立つ絵本です。「読書」「本を読むこと」の本当の楽しみとは、また違うところです。

「子どもたちの気持ちが絵本に向くように、大人が振舞ってあげて欲しい。」
これは、普段の暮らしの中に、どんなもの、絵本や本を、大人が選んで並べてあげるか、ということでもあります。子どもたちは、楽しいことばかりでなく、悲しい話も、矛盾に満ちた世の中の話も、ちょっと難しいことだって、時間をゆっくり与えてあげて、じっくり向き合わせてあげれば、みんな真剣で大好きです。

さて次回は、1月25日(土), 26日(日)、静岡県掛川市「生涯学習センター」で開催します。今回もご予約に、まだかなり空きがあります。お好きな皆さん、是非遊びにきてください。
詳しくは、https://www.gaikokuehon.com

【えほん展ご報告】1月12日(日), 13日(月祝)埼玉県坂戸市坂戸市文化施設 オルモ今回は、坂戸市に行ってまいりました。10年ぶりとなりました。坂戸市は、埼玉県のほぼ真ん中の位置にあります。東西も南北も、ほぼ真ん中です。東京の都心から約4...
15/01/2025

【えほん展ご報告】
1月12日(日), 13日(月祝)
埼玉県坂戸市
坂戸市文化施設 オルモ

今回は、坂戸市に行ってまいりました。10年ぶりとなりました。坂戸市は、埼玉県のほぼ真ん中の位置にあります。東西も南北も、ほぼ真ん中です。東京の都心から約40㎞の距離にあり、1970年代からベッドタウンとして発達しました。現在も、若い世代の人口の比率が、他の似たような地域に比べて多くなっています。坂戸市では、過去に何度か開催しましたが、そのたびに “苦戦” しました。ちょっと足が遠のいていた理由です。
10年ぶりです。どんな様子になるでしょうか。

今回も大きい子たちは少なく、まだ就学前の小さな子たちのご家庭がほとんどでした。そしてやはり、多くのお子さんたちが、“じっと座ってお話に参加する” ということに、あまり慣れていらっしゃいませんでした。すぐに立ち上がって「自分のやりたいこと」を始めてしまいます。これはいつものことですが、今回、とても気になったのは、多くの大人の皆さん、特にお父さん方に、そういうお子さんを支えて捉まえてあげることなく、一緒になって、その「遊び」を始めてしまう方が少なくなかったことでした。

ブックトークの最中に、立ち上がって移動してしまったお子さんと一緒に、楽しそうに別の絵本を開き始めるお父さんたち、やがてお子さん同士が何かで盛り上がって、ケラケラとした笑い声が響いてきます。お父さんも楽しそうにそれに参加していらっしゃいます。お子さんの相手をしてあげる素敵なパパなのですが、一方で、こちらに座ってお話を聞いているご家族が、少し困ったお顔でそれをチラチラ気にしていらっしゃることに、全く気付いていらっしゃいません。
ある時には、私がお話を中断して「それでは子どもは聞きませんよ。もっと大人が子どものサポートをしてあげてください。」ということを、ハッキリと口に出した時間がありました。それでも、何故かお父さんたちは、ニコニコと笑っていらっしゃって、こちらに戻って来られることはありませんでした。全く関係のない話し声や笑い声が聞こえてくる中で、聞いてくださっているご家族のために、他の絵本の紹介を続けることになりました。

私はいつも、「今の子どもたちは、自分の好きなことばかりに向き合っていられるツールに、いつも囲まれ過ぎています。」ということをお話します。ご自身が面白いと思えないことには、全く向き合わなくてもいいのです。それが許される便利なツールが届きすぎています。以前に比べて、子どもたちが「面白くなるまで少し我慢して、頑張ってみる」ということをしなくて良くなりました。そして、大人の皆さんには、子どもたちのそういう姿を全く気にしない方が増えました。それどころか、むしろご自身たちが、そんな便利なツールと同じことになってしまっていることに、お気づきではありません。

実は以前から、同じことは何度もお伝えしてきました。このページにも何度も書いてきました。
「小さい子でも、その時にはわかっていなくても、抱き止めて、こちらに注意を向けてあげて、お話をフォローしてあげてください。そうすれば、お子さんは歩き回らなくなります。やがてじっと聞いてくれるようになります。」
もう何年も前にも、同じことを書いております。しかし以前のそれは、1~2歳の乳児さんたちに向けて書いていたことでした。歩けるようになったばかりの赤ちゃんが、歩くことが嬉しくて、どうしても座っていられなくなって、その場から離れてしまうのを、そっと抱き止めてあげてください。そしてたくさん声をかけてあげてください。そうすれば、ほんの小さな赤ちゃんでも、じっと参加してくれるようになります。という意味でした。それが今は、4~5歳の子どもたちです。
今、学校では、授業に参加していられない子、座っていられないお子さんが増えています。中には、そういった子どもたちには、支給されたタブレットで好きなことをさせておいて、参加できる子だけで授業を進めている、という声さえ聞こえてくることがあります。そんな現実を、どれくらいの大人の方がご存じでしょうか。
今回は、年配の方にも、子どもたちと一緒に遊んでしまって、絵本を全く見てくださらない方がいらっしゃいました。確かに、子育てから少し時間が経った我々世代にとって、小さい子が懐いてくれて、楽しそうにしてくれることは、本当にうれしいことです。お子さんの相手をずっとしてあげれば、その間、お母さんも助かります。しかし、そのお子さんは、滞在中絵本をほとんど見ることなく過ごすことになりました。そして、大人の方も、その後ご紹介した、ちょっと作りこんだ深い絵本は、ほとんど見ることなく終わっていらっしゃいました。
もしも今回、そんな大人の方と小さな子たちが、テーブルの上の絵本で盛り上がってくれていたら、ここにはとても素敵なことが書けたのですが・・・。

・・・今は、どこの会場に行っても、大人の皆さんの様子が、とても “現代的で若い” ことが気になります。(土足の会場で、絵本を地べたに置くご家族が本当に多くなりました。)最近は、年配の皆さんでさえ、そういう雰囲気に慣れ始めています。そして、そんな大人の無意識の中で、子どもたちは、子ども扱いされてしまって、次にステップアップしていく話題、そういう時間に出会わなくなっているのです。
もちろん、今でも、そうではない方もたくさんいらっしゃいます。しかし、全体的には、やはり当たり前の基準が、かなり速いスピードで変わっていくようです。今回は、それをとても強く思い知らされました。たくさん考えなければならないことがあると思います。
(嬉しくない話が長くなりました。素敵な2組は、写真でご紹介します。)

さて次回は、1月17日(金)~18日(日)、埼玉県越谷市「越谷市中央市民会館」で開催します。今回もご予約に、まだかなり空きがあります。お好きな皆さん、是非遊びに見てください。
詳しくは、https://www.gaikokuehon.com

【えほん展ご報告】1月4日(土), 5日(日)東京都江東区江東区文化センターあけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。2025年最初の絵本展は、東京都江東区で開催いたしました。9年ぶりです。江東区は、深川、亀戸といった...
10/01/2025

【えほん展ご報告】
1月4日(土), 5日(日)
東京都江東区
江東区文化センター

あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。

2025年最初の絵本展は、東京都江東区で開催いたしました。9年ぶりです。江東区は、深川、亀戸といった、時代劇や落語にも度々登場し、私のような地方出身者でも聞いたことがある地名が点在する、古くからの “江戸の下町” というエリアです。一方、湾岸の埋め立て地には、新しい大きなタワーマンションが立ち並び、ショッピングモールや子ども向けの施設も多く、子育て世代の人口が増え続けている、“これぞ今の東京” というエリアもあります。子どもたちの習い事やお受験も盛んです。
年末から奇跡の9連休、その最後の2日間、お客様が来てくださるか不安でしたが、ご予約は非常に順調で、年末にはかなり埋まって、年明けすぐに昼間の時間は満席となりました。お父さんも一緒のご予約も少なくありません。かなり期待しながら、お正月休みを過ごすことが出来ました。しかし、小学生以上のご予約が1件も入っていません。やはり大きい子たちは、本から離れてしまっているのでしょうか。

開催前日の3日、毎年恒例の井之頭公園の弁天様にお参りを済ませて、張り切って当日を迎えました。・・・残念ながら、かなり多くのキャンセルが出てしまいました。お子さんの急なご病気と、事前に連絡をくださった方、お大事になさってください。インフルエンザの流行に、お休みの間の疲れも出たのかもしれませんね。
しかし、ご連絡のないままの “すっぽかし” も少なくありませんでした。また、ご予約いただいていても、実際には、お父さんは来てくださらないというご家族も少なくありませんでした。キャンセルをWebサイトに反映させるとすぐに次のご予約が入っていたので、他に来られたい方もいらっしゃったことを考えると、やはり残念です。若い新しい街でよくあるパターンですね。

今回は、小さいお子さんのご家庭に向き合う時間が多い2日間でしたが、多くの子どもたちには、今の便利なツールが当然のように届いているようでした。
今回、いつも子どもたちが一番の反応を示してくれる「禎子の鶴 (原爆の絵本)」を読めたのは、6回開催したブックトークの内、2回しかありませんでした。小さい子が多いのだから仕方がない、と思われる方も多いと思います。しかし、読めた2回の子どもたちの緊張感は素晴らしいものでした。子どもたちの背中は真っ直ぐです。お口をまっすぐに結んで、睨みつけるようにこちらを見てくれます。最前列で聞いていた男の子が、少し怖くなって自分の席からお父さんのお膝の上に移動して、それでも一生懸命聞いてくださった姿が可愛らしかったです。「禎子の鶴」を読まれずに帰られたお父さんお母さんに、あの空気を体験して欲しかったです。
読めた2回、子どもたちの年齢には他の時間と変わりはありませんでした。明らかに違ったのは、大人の皆さんが、「一緒に聞こう」「一緒に考えよう」という空気を、最初から最後まで作ってくださっていたことでした。小さい子の集中力が途切れそうになっても、すぐそばに身を寄せてあげて、子どもたちに私の言葉を中継してくださいながら、たくさん声をかけて、子どもたちをフォローしてくださっていました。おそらく、これは今日だけでなく、普段の生活からそうなさっているのだと思います。「禎子の鶴」が読めた2回には、「これはまだ小さい子には早すぎたなー」という、大人が先に諦めてしてしまう空気がありませんでした。

2025年、1回目のえほん展は、今年も絵本を紹介しながら、同じことをお伝えし続けるのだな、と確認させられた2日間でした。
『子どもたちを子ども扱いしないで、本当の世の中や自然、歴史や文化、いろんな話題を届けてあげて欲しいと思います。そういう機会や環境を作ってあげて欲しいと思います。今は、油断していると、あっという間に、子ども向けに楽しく作られたエンタメとファンタジーばかりが、子どもたちの時間を埋めてしまいます。気付けば、私たちのまわり、そして暮らしの中、家庭内には、そういうツールが溢れかえっています。』

30年以上、同じような “えほん展” を続けてきましたが、小学生以上が一人も来てくださらなかった記憶はありません。おそらく、今回が初めての経験だと思います。お正月休みの最後の2日間、ということを差し引いても、さすがに残念です。
今回来てくださった小さな子たちが、またしばらくして開催した時に、キラキラとした目で遊びに来てくださるように、また、大人になった時に(特にお父さんになった時に)、絵本展に喜んで参加してくださるようになって欲しいです。そのために、子どもが一番喜ぶ絵本ばかりでなく、大人になっても繰り返し楽しめて、世代を超えて受け継いで行けるような作りこまれた絵本も、たくさん書棚に並ぶご家庭に増えて欲しいと思います。

さて次回は、1月12日(日), 13日(月祝)、埼玉県坂戸市「坂戸市文化施設 オルモ」で開催します。ご予約には、まだかなり空きがあります。お好きな皆さん、是非遊びに見てください。
詳しくは、https://www.gaikokuehon.com

【えほん展ご報告】12月20日(金), 21日(土), 22日(日)神奈川県横浜市港南区港南区民文化センター ひまわりの郷今年最後の絵本展は、横浜市港南区に行ってまいりました。ちょうど5年前、今回と同じクリスマス前の日程で開催して以来です。...
24/12/2024

【えほん展ご報告】
12月20日(金), 21日(土), 22日(日)
神奈川県横浜市港南区
港南区民文化センター ひまわりの郷

今年最後の絵本展は、横浜市港南区に行ってまいりました。ちょうど5年前、今回と同じクリスマス前の日程で開催して以来です。会場も同じでした。
今回は先週と違ってなかなかご予約が入らず焦りました。いつものように追加の広告を出し、皆様にご紹介をお願いして、最終的にはそれなりに賑やかになりました。皆様ありがとうございました。ただし、やはり乳幼児さんのご家庭が多く、小学校高学年のお子さんはとても少なくなりました。
一方で今回は、いつもに比べて教育現場で活躍されている現役の先生方や図書館司書さんが、また元はそういったお仕事をされていて、今は地域の読み聞かせなどに従事していらっしゃる皆さん、そして現在子育て中のお母さん方にも、読み聞かせや子ども演劇のサークルで活動されている方が、誘い合ってたくさん来てくださいました。今回、大人世代の皆さんが、とても熱心でいらっしゃったのです。皆さんとても楽しそうに聞いてくださって、かつて子どもたちのすぐ側に、もっと本が並んでいた頃の、子どもたちの「勘の良さ」を思い出してくださって、私たちのご案内に強く賛同してくださいました。

そんな空気の中で、子どもたちもいつも以上によく聞いてくださいました。やはり、大人が楽しそうにしてくれると、子どもたちもよく聞いてくれます。普段からたくさんの本に出合っていることが分かるお子さんもたくさんいらっしゃいました。
日曜日に、子ども演劇の仲間同士だというお母さんと一緒に来てくださった小学校4年生の男の子たち、最前列に座って、表情豊かに盛り上げてくださいました。どの場面でもしっかりと先を予測しながら聞いてくださって、最近では子どもたちがあまり気付いてくれなくなったポイントにも気付いてくださいました。その一方で、私が大人の皆さんに、「今は、子どもたちにすぐに “これ” が届いてしまうので・・・」と、スマホやゲームを扱うジェスチャーをしながら話しても、「これ?」とすぐにピンとこない様子です。まだ、そういったものから、少し遠いところにいらっしゃるようでした。

うれしい再会もありました。前回5年前、私たちの絵本をお届けして以来、お近くでの開催に何度か来てくださっているご家族が、また来てくださいました。毎月の定期購読で、今も絵本をお届けしています。5年前には小さな赤ちゃんだった男の子が来年は小学生です。そして今回、下に妹さんがお生まれになったことを知りました。
5年前、たまたま楽器の練習に来ていらっしゃったお父さんが、「僕も聞いてもいいですか?」とブックトークに参加してくださったことが、このご家族とのご縁の始まりです。翌日にお母さんと赤ちゃんも一緒に、もう一度来てくださいました。今回も、3人でのご予約だったのに、最初お母さんお一人で来られたので「あれ?」と思っていると、「主人は今日も楽器の練習で先に来ています。息子は、パパが楽器を演奏しているのを見るのが好きなので、一緒にそちらに行ってます。もうすぐ2人で来ます。」とのことでした。「パパが楽器を演奏しているのを見るのが好き」というのが、とても素敵ですね。パパが演奏する様子を楽しそうに見て待っている男の子、パパもうれしいはずです。その光景を想像して、とても幸せな気分になりました・・・。

今回は、様々な年齢の皆さんと、とてもポジティブなお話ができた3日間でした。最後にクリスマスのご褒美をいただいた気分です。もちろん毎回、どこの会場でも皆様と楽しいお話をさせていただいておりますが、今回特にそう感じたのは、大人の皆さんに、本を大切にしたいと思っていらっしゃるだけでなく、そういうことを実際にご自身が楽しまれて、そのように暮らし、また、実践して他に向かっても発信していらっしゃる方が多かったからです。子どもたちがよく聞いてくださったことも、それと無関係ではないと思います。

・・・今年のがいこくえほん展も無事終わりました。今年はかなり広く移動して開催しましたが、全51回、何とか完走出来ました。たくさんの皆様にお会いできました。うれしい再会もたくさんありました。様々なお言葉もいただきました。全て財産です。皆様ありがとうございました。来年も、コツコツ続けて行きます。

新年1回目は、1月4日(土), 5日(日)、東京都江東区「江東区文化センター」で開催します。「お正月休み」に開催して、果たしてお客様は来てくださるのか、少し実験的な試みですが、お好きな皆さん、是非遊びに見てください。
詳しくは、https://www.gaikokuehon.com

時計が0時を過ぎ、12月25日になりました。今頃サンタさんは、子どもたちにプレゼントを配っているところでしょうか。メリークリスマス! そして、よいお年を !!

住所

吉祥寺本町3-4/9
Musashino, Tokyo
180-0004

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