船が産声をあげる式典=進水式は、なんとも晴れ晴れしいものですね。シャンパンが割れ、ブラスバンドのマーチのなか、巨艦がしずしずと海面へ。色とりどりのテープと見物の市民の拍手。ミナト神戸ならではの光景をビデオに撮りました(つかったのは会社貸与のスマホです)。19日のお昼前、神戸市の川崎重工業であった、全長197m、総トン数3万3500tのばら積み運搬船「FLORENCE K」の進水式です(H)
コンクリート構造物に「粘り」をもたせて、地震や津波の衝撃に耐えられるようにする。そんな目的の新技術の公開実験が27日、神戸市西区であるというので、行って動画を撮ってきました。
仕組みは、コンクリート構造物を「ポリウレア」という合成樹脂で覆うというもの。コンクリートの補強は鋼板や炭素繊維を巻いて補強するのが一般的ですが、例えば鉄筋コンクリートの柱が変形するほどの力が加われば、柱自体が割れて壊れてしまいます。ポリウレアは2倍程度に伸ばしても破れず元の形に戻ろうとする特長があるそうで、変形するほどの大きな力がかかっても、元の形をとどめようとする力で破壊を防ぐ、という仕組みだそうです。
このポリウレア、元々は防水や防サビに使われていました。これをコンクリート補強に使えないかというアイデアの検討は、2年ほど前からゼネコンの清水建設、合成樹脂メーカーの三井化学産資、防衛大学校の3者共同で始まっていたそうですが、決定打になったのはその後に起きた東日本大震災でした。
3メートルの津波に襲われた岩手県野田村のサケマス養殖場で、回りの建造物は根こそぎ壊れたのに、コンクリ製の水槽だけがほぼ原形をとどめていたそうです。津波の水圧、岩や車の衝突にも耐えたその水槽には、ポリウレアが使われていました。
このことで補強効果に確信を深め、3者は共同研究に本腰を入れます。強度や厚みを研究し、実用化の道が見えてきたということで、この日の公開実験となりました。3年後の実用化を目標に研究を進め、堤防やダムの補強、将来的には橋脚や高架道路への活用も考えているそうです。
実験の様子は動画をご覧下さい。
内容を簡単に解説しますと、前半は側溝に使われるU型鉄筋コンクリートを横倒しにして、上から12キロのハンマーでたたく実験。最初の樹脂被膜なしのものは、1回目でヒビが入り、2、3回目で壊れてしまいました。次に2ミリ厚の樹脂で覆ったものをたたきますが、1回、2回、何十回、とたたいても壊れず、少しへこんだぐらい。しまいには担当の方が疲れてしまいました。
後半は、長さ1.2メートル、縦12センチ、横10センチの鉄筋コンクリート柱の上に、50センチの高さから300キロの重りを落とす実験。樹脂なしの柱は1回の衝撃で幅の広い亀裂が入って破断。一方、2ミリ厚の樹脂で覆ったものは、曲がりはしたものの、2回の落下にも耐えました。
防災技術は様々なジャンルで急速に進んでいると聞きますが、それを実感した一日でした。(佐藤卓史)
くまモン&はばタン
ゆるキャラ界の人気者・くまモンとはばタンがタッグを組んでマラソンをPRしました。よい子が大喜びの豪華ツーショットの陰で、こんな愛憎のドラマが繰り広げられていたとは。(心の声以外は)based on true storyです (f)