ラジオフチューズについて
「ラジオフチューズ【一般社団法人東京府中FM】」は、府中市をサービスエリアとするコミュニティ放送局を開局、運営するために2017年4月設立されました。
当法人の目的は、「コミュニティFM放送やインターネットラジオ放送などを通じて地域に密着したコミュニケーション空間を提供するとともに、多言語・多文化共生社会の醸成をはかり、より豊かで平和な地域社会の形成及び地域活性化並びに防災に寄与すること」です。(定款第3条より)
1925年に日本でラジオ放送が始まってからおよそ 90 年が経ちます。この間放送や通信の技術、メディア環境はめざましく発展してきました。
映像を伴う多様なメディアが増えたいま、音声だけのラジオは一見古いメディアのように思えます。しかし、根強いファンに 90 年間支えられ続けてきたラジオは、近年その機能、価値が再評価されています。
そのひとつは、ラジオが災害に強いメディアであるということ。阪神淡路、東日本の大震災や全国各地での豪雨災害などのときに、多くの被災者がラジオから情報を得ていたことが注目されました。
もうひとつは、1992年に創設された地域密着型のコミュニティ放送というラジオ局の新形態。細やかな地域情報共有による活性化やコミュニティ再生の役割が期待されています。
一方2003年には、放送史上初のNPO立放送局が誕生しました。それまで放送局は、NHKを除けばすべて株式会社の商業法人でした。放送はプロが行うものという既成概念に対して、非営利法人のNPO放送局の登場によって、市民や学生などが運営や番組の担い手になることができるようになりました。
インターネットの世界では、いち早く一般市民がみずから情報や文化を社会へ送り出すメディアの主体となっています。それと同じようにNPOラジオ局は、市民が主体の放送局です。
歴史的要衝として栄えた府中市は、豊かな自然環境の中、文化・スポーツ活動において主体となる市民層が厚く、また大学などの教育機関にも多く、多様なコンテンツに恵まれています。またアメリカンスクールに子弟を通わす外国籍の住民や、東京外国語大学で学ぶ留学生の出身国が約 60 カ国に及ぶなど、地域住民の国際色も豊かです。府中市民の多様なコミュニティが番組づくりに参加すれば、色鮮やかで個性的、魅力的なラジオ局になるでしょう。
みなさんが作り育てる府中市の「ラジオフチューズ」は、電波で結ぶ新しい公共空間です。住民、学校、商店、会社、行政、NPOなどのネットワークにより「にぎわい」、「助けあい」、「住民交流」、「地域情報」、「学び」、「防災」をキーワードに番組制作、放送を行います。また、多文化共生社会に資するため、外国人を含む多様なリスナーのための多言語番組やワールドミュージックを放送します。
地域とともに暮らし、学び、働くさまざまな人々が、自分たちのメディアだと感じ、その放送機能を自分たちに役立つものとして、自ら進んで利用しようと思える場を作りあげたいと思います。