GREENHOUSE&co

GREENHOUSE&co ちょっと風変わりなメディアコンテンツ製作集団です。
自転車♥愛が良い方向にタタっています。
(1)

かつて高校生のころ、音楽に魅せられていた僕が足しげく通ったレコード店が高円寺にあった。
同じ高校に通い、同じように音楽が大好きな2つ違いの弟と2日とあけず通いつめ、レコードを漁ったとてもお気に入りの店だった。
店の名前は "GREENHOUSE"。
一見地味な外観と地味で小声な店主からははかり知れない渋く奥深く品揃えで、しかも財布にとても優しい値付けだった。
ロック中心の品揃えだったこともあり、当時どういうわけか頑くなにハードコアパンクに傾倒していた僕たち兄弟は、はじめのひと月程はまずその筋のレコードを漁っていた。
だが、レコ箱掘りをしながら、何か変だと思っていた。青二才の視野狭窄な要求に軽々と答えながら、この店のレコ箱がささやくのだ、お前の耳が欲しい音はコレだろう、フフフ、、、と。
その結果、本命のレコードと、それとはほど遠い得体の知れないジャケットをなぜか掴み取らされ、家に帰っておそる

おそる針を落とす日々がはじまる。
思えばジャーマンプログレや、ニューヨークパンク、グラムや、サイケの名盤もそうやって知って行った。
そして、ぼくたちはうっすら気付いた、本当にほしい音がもっともっと世界にあふれているんじゃないかと。

小さく地味な"GREENHOUSE"は、まだ若く新しい音に飢えていた兄弟に新しい世界の扉を開けっ放しにしてくれていた。
いろんな扉が音立ててばたんばたんと開いた。
僕たちは嬉々としていた。

そんなある日、いつものように店に立ち寄ると、静かに閉店していた。じつにあっけなかった。
とてもショックで、弟と2人で切なくなった。
2人とも一ヶ月程店に行かない間の出来事だったので、自分たちが行かなかったからだと悔やんだ。
そんな事も無いだろうと思うが、ぼくたち2人以外の客をあまり見た事が無かったから。

、、、だからどう、ということでもない話なのだが、こういうささやかな日常が人生になにかしら影響してくるものなんだと30越えてつくづく思うようになった。世界中旅もし感動したし、いろんな運命的な出会いもあった。それでも日々とは穏やかに連なっていて、あの日の思い出の一滴の波紋がいまでもさざめいている。そして河の流れのように流れゆくのである。

ぼくたち"GREENHOUSE"も、小さくもささやかな連鎖を生みたいと思います。

住所

TOKYO
Chiyoda-ku, Tokyo

ウェブサイト

アラート

GREENHOUSE&coがニュースとプロモを投稿した時に最初に知って当社にメールを送信する最初の人になりましょう。あなたのメールアドレスはその他の目的には使用されず、いつでもサブスクリプションを解除することができます。

共有する

カテゴリー

Our Story

かつて高校生のころ、音楽に魅せられていた僕が足しげく通ったレコード店が高円寺にあった。 同じ高校に通い、同じように音楽が大好きな2つ違いの弟と2日とあけず通いつめ、レコードを漁ったとてもお気に入りの店だった。 店の名前は "GREENHOUSE"。 一見地味な外観と地味で小声な店主からははかり知れない渋く奥深く品揃えで、しかも財布にとても優しい値付けだった。 ロック中心の品揃えだったこともあり、当時どういうわけか頑くなにハードコアパンクに傾倒していた僕たち兄弟は、はじめのひと月程はまずその筋のレコードを漁っていた。 だが、レコ箱掘りをしながら、何か変だと思っていた。青二才の視野狭窄な要求に軽々と答えながら、この店のレコ箱がささやくのだ、お前の耳が欲しい音はコレだろう、フフフ、、、と。 その結果、本命のレコードと、それとはほど遠い得体の知れないジャケットをなぜか掴み取らされ、家に帰っておそるおそる針を落とす日々がはじまる。 思えばジャーマンプログレや、ニューヨークパンク、グラムや、サイケの名盤もそうやって知って行った。 そして、ぼくたちはうっすら気付いた、本当にほしい音がもっともっと世界にあふれているんじゃないかと。 小さく地味な"GREENHOUSE"は、まだ若く新しい音に飢えていた兄弟に新しい世界の扉を開けっ放しにしてくれていた。 いろんな扉が音立ててばたんばたんと開いた。 僕たちは嬉々としていた。 そんなある日、いつものように店に立ち寄ると、静かに閉店していた。じつにあっけなかった。 とてもショックで、弟と2人で切なくなった。 2人とも一ヶ月程店に行かない間の出来事だったので、自分たちが行かなかったからだと悔やんだ。 そんな事も無いだろうと思うが、ぼくたち2人以外の客をあまり見た事が無かったから。 、、、だからどう、ということでもない話なのだが、こういうささやかな日常が人生になにかしら影響してくるものなんだと30を越え、40もとおに過ぎてつくづく思うようになった。世界中旅もし感動したし、いろんな運命的な出会いもあった。それでも日々とは穏やかに連なっていて、あの日の思い出の一滴の波紋がいまでもさざめいている。そして河の流れのように流れゆくのである。 ぼくたち"GREENHOUSE"も、小さくもささやかな連鎖を生みたいと思います。

メディア会社付近


マスコミのその他Chiyoda-ku

すべて表示