08/10/2024
#東大新聞 「学費問題&法人化20周年特集号」好評発売中!
・授業料値上げの詳細
・学費問題早わかり 基本Q&A
・国立大学法人化を理解するためのポイント
・第27代東大総長・佐々木毅名誉教授インタビュー
・第28代東大総長・小宮山宏名誉教授インタビュー
・これからの大学運営を考える
など学費問題と法人化20周年に関連する特集を掲載しました。
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〜学費問題&法人化20周年特集号発行責任者より〜
学費問題は法人化20年の総決算だと言えるかもしれません。国からの安定した支援が伸び悩む一方、国際競争は激しさを増すばかり。この20年の結果が、教育環境も十分に維持できない現状だとすれば、東大が積み重ねてきた「赤字」を、学生の授業料値上げで補填(ほてん)するかのようにも見えます。
授業料値上げの内容に目を向けると、在学生は据え置きする「激変緩和措置」がうたわれています。安田講堂前で反対の声を上げる在学生には配慮して、まだ意見を表明できない受験生には来年度から値上げを行う決定と言い換えることもできるでしょう。10万円の差額を説得的に説明できるほど、新入生の教育環境が在学生よりも良くなるのかは疑いたくもなります。
授業料を「出資する」学生たちが批判したのは、値上げそれ自体だけではありませんでした。不十分だったと言う意見もある「総長対話」も、大学側が実施したアンケートも1度のみ。大学の意思決定プロセスから学生が外されているかのように感じる人も少なくはなかったのかもしれません。教員からも議論が拙速だとの批判がありました。今回の授業料値上げ案は教授会でも報告が行われただけだったようです。
10月号の特集では、法人化20年という大きな枠組みの中で学費問題を捉え直すことを意識しました。東大の藤井輝夫総長は、学生と「一緒に考える仕組み」の構築を目指すと公言しています。法人化20年の決算は赤字に終わりましたが予算はまだこれからです。東大は一体どこに向かおうとしているのでしょうか。これからも1人の記者として学費問題を追い続けたいと思います。そして、今回の特集だけでなく、これからの東大新聞の発信が、授業料値上げについてより深く考えるための一助となれば幸いです。