株式会社 養賢堂

株式会社 養賢堂 自然科学、主に畜産、農学、工学の雑誌と書籍の発行および販売。新刊案内、図書目録など。 大正3年5月5日創業の出版社が運営している、読者と著者と出版社をつなぐサイトです。畜産学・農学・工学に係わる新刊・既刊紹介など。

◇◇◇2025年12月発売の雑誌◇◇◇https://www.yokendo.com/all-magazines/弊社では、毎月1日に「農業および園芸」「機械の研究」を発刊しております。いずれも創刊から半世紀を超えて、最新、最先端の内容をお...
27/11/2025

◇◇◇2025年12月発売の雑誌◇◇◇
https://www.yokendo.com/all-magazines/
弊社では、毎月1日に「農業および園芸」「機械の研究」を発刊しております。いずれも創刊から半世紀を超えて、最新、最先端の内容をお伝えしております。弊社サイトより是非お求めください。
〇農業および園芸
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◆巻頭記事◆
農業のサスティナビリティ・トランジションの現状と今後の見通し
令和6年に食料・農業・農村基本法が改正されたが、その主要なポイントは、①国民一人一人の(食料の安定供給ではなく)「食料安全保障」を基本理念の中心に据えたこと、②「環境と調和のとれた食料システム」を新たな基本理念においたことである。さらにその基本理念の下で、人口減少下における農業生産の方向性を、「生産性の向上」「付加価値の向上」「環境負荷低減」の3つに明確化している。「生産性の向上」と「付加価値の向上」のためには情報通信技術を活用したスマート化が、「環境負荷低減」には再生可能エネルギー(再エネ)を最大限の活用が不可欠と思われる。
そのような背景の下で、鷲津ほかでは、「スマート農業へのサスティナビリティ・トランジションの現状-都道府県別農業計画のサーベイに基づいて-」と題して、日本の各都道府県が公表している農業農村振興計画や農林水産業振興計画などの農業分野における最上位計画、および、スマート農業推進計画・方針など、スマート農業の推進に関連して各県が策定した資料を用いて、2023年3月時点のスマート農業と再エネ利用の取り組み実態を調査した。
その際、再エネを活用したスマート農業システムへの移行は、サスティナビリティ・トランジションの方法論に沿って推進されることで効率化されるとの仮定の下で、取り組み実態の評価をおこなった。本稿ではスマート農業システムへの移行について、同論文を振り返るとともに、その後実施した農村での再エネ利用の推進実態に関する調査結果を報告し、改正された食料・農業・農村基本法で定められた3つの農業生産の方向性の進展状況を総合的に考察する。
早稲田大学
鷲津明由
野津喬
株式会社アール・ピー・アイ
景浦智也
丸木英明
〇機械の研究
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◆巻頭記事◆
電磁解析による材料評価の基礎(1)
電磁気的な材料評価には種々の手法がある。ここでははじめにそれらに共通の電磁気学の大まかな把握について記す。これは、当該分野の基盤をなす物理を簡易に復習しておくことを意図したものである。これに続いて、若干の例として、直流電流による表面き裂評価、磁気的直交異方性材料の静磁場による、また交流磁場による非接触応力評価の原理について概説する。
本報では電磁気学の基礎について記す。
電子磁気工業(株) 顧問
東北大学 名誉教授
坂真澄
秋田大学 理工学研究科 准教授
趙旭
#養賢堂 #農業および園芸 #畜産の研究 #機械の研究

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23/10/2025

◇◇◇2025年11月発売の雑誌◇◇◇
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弊社では、毎月1日に「農業および園芸」「機械の研究」を発刊しております。いずれも創刊から半世紀を超えて、最新、最先端の内容をお伝えしております。弊社サイトより是非お求めください。
〇農業および園芸
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◆巻頭記事◆
清酒原料米の酒造適性予測
清酒は、原料に米と水を用いて造られる日本の伝統的なお酒である。原料の米は国産で、醸造用品種および食用うるち米品種が用いられる。統計資料から計算すると、清酒醸造に使用される米の量は、国内で収穫される水稲の約2.7%に相当する。
清酒原料米は、香味の調和を図るため、ご飯で食べるときに比べて高度に精米される(玄米を外側から削られる)。精米の程度は、ご飯では米粒の外側から8%~10%が削られるのに対し、清酒醸造(令和5酒造年度全体平均)では外側から38.6%(100%-38.6%=精米歩合61.4%)が削られる。精米の程度によって清酒の香味が大きく変わるため、濃醇タイプの清酒にはあまり削らない米が、香り高く軽快なタイプには大きく削った米が使われる。原料米からできる清酒の数量は統計資料から計算すると、アルコール度数15%の清酒は玄米1kgから全体平均値では約2.1Lできるが、米を大きく削る純米吟醸酒では約1.1Lしかできない。このように、原料米の経費が製造コストの大半を占めている。そのため、品質を保ちつつ原料米の利用率を上げることが重要である。
製造工程で重視されるものの1つが、原料米の溶解性(≒米の分解・消化のされやすさ)に関する酒造適性である。仕込前に溶解性を把握できれば、溶解性に応じた製造工程の管理が可能になり目標の酒質への誘導が容易になる。そのため、原料米の溶解性に関する酒造適性を簡易に把握する方法の開発が進められてきた。
本稿では、気象データからの原料米の酒造適性予測についての研究成果を紹介する。まず、原料米の溶解性や清酒香気成分に及ぼすデンプン構造およびイネ登熟期の気象条件の影響を述べ、つぎに気象データからの原料米の溶解性に関する酒造適性予測について述べる。
独立行政法人酒類総合研究所
奥田将生
〇機械の研究
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◆巻頭記事◆
金属3Dプリントでの結晶成長のフェーズフィールドシミュレーション
金属AMでは、PBFプロセスがもっとも普及している。PBFプロセスでは、造形ステージに金属粉末を敷き、3次元CADデータをもとにした2次元スライスデータに沿って熱源を選択的に照射し、金属粉末を溶融・凝固させる。その後、造形ステージを降下させ、再び粉末床を作成して熱源を選択的に照射するという一連のプロセスを繰り返すことで、3次元造形体が造形される。金属のPBFでは、熱源として主に電子ビーム(EB)またはレーザービーム(LB)が用いられる。EBを用いたPBFは、ISOでは「PBF-EB」、一般的には「電子ビーム積層造形」または「Electron Beam Melting(EBM)」とよばれ、LBを用いたPBFは「PBF-LB」または「レーザー積層造形」や「Selective Laser Melting(SLM)」などとよばれる。最近では、単に3D部材を造形するだけでなく、材料の微細組織制御のための研究が盛んにおこなわれている。
PBFプロセスでは、熱源照射によって局所的な溶融・凝固が生じる。この急冷凝固を数値熱流体力学(CFD)によって再現し、温度分布の時間的変化から冷却速度を評価した。その結果、溶融池内の各領域で 106 K/s 程度の高い冷却速度条件下で組織形成が起こっていることが推定された。このような急冷かつ超大な温度勾配条件下では、優先成長方位である[100]方位が熱流方向と平行な方向に配向したデンドライト成長が起こり、その結晶成長方向は熱源スキャンストラテジーによって制御できる。例えば、レーザースキャンの向きを積層ごとに90°ずつ回転させながら造形すると、特定の方向にのみ結晶成長を促すことができ、単結晶材料の育成が可能になる。
大阪大学 大学院工学研究科 マテリアル生産科学専攻 助教
大阪大学 大学院工学研究科附属異方性カスタム設計・AM 研究開発センター
奥川将行
#養賢堂 #農業および園芸 #畜産の研究 #機械の研究

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24/09/2025

◇◇◇2025年10月発売の雑誌◇◇◇
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弊社では、毎月1日に「農業および園芸」「機械の研究」を発刊しております。いずれも創刊から半世紀を超えて、最新、最先端の内容をお伝えしております。弊社サイトより是非お求めください。
〇農業および園芸
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◆巻頭記事◆
降雨後の土壌でも適期を逸さず播種できる「畝立て乾田直播機」
九州の基幹的農業従事者数は、2005~2020年の15年間で52万人から23万人に半減し、65歳以上が占める割合は56%から65%に増加した。一方、農業経営体の耕地面積は、20ha以上の割合が3.6%から21.6%の6倍に増加し、さらに100ha以上の大型経営体が96(うち九州北部地域:77、九州南部地域:19)存在し、農業従事者の減少にともなう規模拡大が急速に進んでいる。
水稲の乾田直播栽培は、慣行の「移植」栽培体系で必須となる、育苗・苗運搬・代かき作業を省略できるため、規模拡大が進む九州北部地域において作業能率の向上が期待できる有用な技術である。しかし、これらの地域で主におこなわれている大麦-水稲、小麦-大豆 or 水稲(前作-後作)の二毛作体系で乾田直播栽培をおこなう場合、前作となる麦類の収穫後、水稲の圃場準備から播種まで約1か月程度しかなく、麦類の作付をおこなわない場合に比べて作業可能な期間が短い。
また、降雨によって土壌が高水分となると播種が困難となるため作業が遅延し、播種適期を逸しやすいこと、移植栽培のように代かきによって問題となりにくい漏水についても乾田直播栽培では対策が必要になるという課題がある。漏水対策については振動ローラによる鎮圧作業で防止が可能となる振動ローラ式乾田直播技術を開発して普及を進めているが、降雨によって播種作業が困難となる問題が残されている。特に、乾きにくい土壌条件となる圃場の場合には、降雨によって播種作業とその後のローラ鎮圧作業(漏水防止対策)が遅れるため、規模が大きい生産者ほど適期播種を逃すリスクが高まることから、高水分条件でも使用可能な直播技術が必要となる。
そこで今回、漏水防止機能を有するだけでなく、高水分土壌でも効率的に播種作業をおこなうことが可能な畝立て乾田直播機および本開発機を用いた直播技術を「農業機械技術クラスター事業(2018~2021)」において開発したので、本誌にて紹介する。
農研機構九州沖縄農業研究センター
深見公一郎
〇機械の研究
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◆巻頭記事◆
鉄道軌道における不確実性の理論的評価
現在、鉄道軌道では、新幹線同様に多くの在来線においても継ぎ目のないレールが導入されている。200 m以上の長さのレールをロングレールとよぶ。これにより乗り心地の改善や騒音・振動の低減などの効果が期待できる。鉄道軌道の動的・静的力学挙動の理解において、数理モデルにもとづいた理論解析や数値解析が有用となる。ロングレール軌道の場合、それを無限に長い構造で表現するのがもっとも自然なモデル化である。しかし、無限長軌道をそのまま数値解析することは容易ではない。そのため軌道を有限長で打ち切り、有限時間の応答を数値的に求める方法がもっとも一般的であろう。
本稿では、軌道長手方向に定常ランダムな不確実性が存在する場合を対象に、無限長軌道の静的・動的挙動を理論的・解析的に評価した事例を紹介する。静的挙動については、無限長軌道の座屈強度期待値の摂動法にもとづいた評価について紹介する。また、動的挙動に関しては、走行車輪と軌道との動的連成によるランダム振動の期待値評価について、解析的手法とその結果を示す。
新潟大学 工学部 社会基盤工学プログラム 教授
阿部和久
#養賢堂 #農業および園芸 #畜産の研究 #機械の研究

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26/08/2025

◇◇◇2025年9月発売の雑誌◇◇◇
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〇農業および園芸
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◆ピックアップ記事◆
ゲノムワイド関連・比較解析を利用した食用米・酒米の特徴を決める遺伝子の単離と解析
これまでに多様なイネ品種が開発されてきたが、日本の近代育種において食用米品種は炊飯に適した品質を重視して、酒米品種は日本酒の原料としての価値を高めることを目的に、それぞれ独立して育種・選抜が進められてきた。このことは、育種の過程において、食用米と酒米の品質の違いを左右する遺伝的要因が人為的に選抜されてきたことを意味しており、どの遺伝子が選抜の対象となってきたのかを解明することは、今後の育種戦略にとって極めて重要である。
本稿では、日本のイネ202品種のゲノム情報を用いてゲノムワイド関連・比較解析をおこない、OsMnSとOsWOX9Dという2つの遺伝子が食用米と酒米をわける重要な形質である心白と粒幅にそれぞれ関わっていることを明らかにした研究について紹介する。
福島大学 食農学類附属発酵醸造研究所 特任講師
吉田英樹
〇機械の研究
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◆巻頭記事◆
傾斜密度ラティス構造を用いたプレス金型の圧力分布変動の抑制
近年では、付加造形技術や積層造形技術の進歩にともない、その工業分野への導入が急速に進んでいる。積層造形は、従来の鋳造、鍛造、切削加工では実現が難しかった複雑な形状を一体的に製造することが可能であり、金型制作の期間短縮や材料コスト削減の観点からその有効性が報告されている。さらに、設計最適化との組み合わせにより、部材単体で高い機能性を発揮できるため、「Designfor Additive Manufacturing(DfAM)」の概念が注目され、市場の拡大が進んでいる。
DfAMにおける有効なアプローチの1つとして、微細な格子を構造内部に適切に配置したラティス構造を活用することで、意図した機能を定量的に引き出す研究が報告されている。しかしながら、ラティス構造の詳細な設計を直接計算する場合、膨大な計算コストが必要となる点が課題である。
その解決策として、均質化法を用いてラティス構造を実効的物性値で置き換え、随伴変数法による感度計算と勾配法による最適化を組み合わせる手法が提案されている。このアプローチでは、ラティス構造を構造全体で最適化し、傾斜機能ラティス密度分布を実現できるとされている。
プレス金型において、ラティス構造は材料の制約を受けることなく、接触圧力の分布を低減する新たなアプローチとなり得ると考えられる。本記事では、筆者らが取り組んだ、プレス金型における表面形状の違いに起因する接触圧力の分布を、ラティス密度分布最適化と積層造形技術を組み合わせることで低減した研究について紹介する。具体的には、金型内部にラティス構造を導入し、その分布を傾斜機能ラティス密度分布最適化手法によって調整することで、金型内部の剛性分布を最適化し、プレス時に発生する接触圧力分布の低減効果を検証した内容を詳述する。
AGC株式会社 技術本部 先端基盤研究所
柳原一貴
早稲田大学早 理工学術院 基幹理工学部 機械科学・航空宇宙学科 教授
竹澤晃弘
#養賢堂 #農業および園芸 #畜産の研究 #機械の研究

◇◇◇2025年8月発売の雑誌◇◇◇https://www.yokendo.com/all-magazines/弊社では、毎月1日に「農業および園芸」「機械の研究」を発刊しております。いずれも創刊から半世紀を超えて、最新、最先端の内容をお伝...
24/07/2025

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〇農業および園芸
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◆ピックアップ記事◆
畜産経営の危機を克服し,持続発展のヒントを求めて
近年、畜産経営の継続が非常に困難な状況にある。2020年初頭からの新型コロナウイルス感染症蔓延、それにともなう物流、人流の停滞、経済への大打撃、2021年2月のロシア軍のウクライナへ侵攻によるさらなる世界経済の混乱、それらを要因とした急激な円安も加わって、飼料、燃料をはじめとした畜産生産に欠かせないありとあらゆる生産資材価格が高騰して入手困難となり、畜産経営は大打撃を受けた。畜産経営はこれまでにない危機的な状況になり、経営難から廃業に追い込まれる経営体も少なくない。さらに、畜産のみならず、すべての産業において「持続可能な開発目標(SDGs;Sustainable Development Goals)」対応が求められており、近々流通業界ではSDGs対応でない畜産物を取り扱わなくなることが想定され、畜産経営においても、SDGs対応は必須になっている。
本事業は、畜産経営の存続が危機的状況であり、今回の危機により受けた影響および対応状況、国施策の畜産経営者への貢献などを調査するとともに、危機克服事例集を作成・配布することで、畜産経営の継続に資することを目的とする。
畜産生産者の団体である一般社団法人全日本畜産経営者協会(全日畜)は、日本中央競馬会の畜産振興事業による助成を受け、2023~2024年度の2年間、「畜産経営の危機克服・持続のための実態緊急調査事業」を実施した。なお、全日畜は、畜産経営体(主に商系飼料メーカーから飼料を購入している生産者)の地位および所得増大と安全な畜産物の生産に貢献し、以てわが国畜産業の振興に寄与することを目的として、2009年3月に設立された一般社団法人である。
本稿では、本事業の成果を紹介する。
一般社団法人全日本畜産経営者協会
(常務理事)鈴木一郎
(事務局長)稲田裕司
(専門員)神谷康雄
(専門員)松原英治
(専門員)伊賀啓文
(専門員)山田哲郎
(専門員)内田賢一
〇機械の研究
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◆巻頭記事◆
分離型解法による流体構造連成のシミュレーション
機械工学や航空宇宙工学において流体構造連成(Fluid–StructureInteraction:FSI)は広く関心のもたれる課題の1つである。流体中におかれた構造に流体力が作用するとき、その構造が弾性変形をし、それにあわせて構造近傍の流体挙動にフィードバックする、という密接な連成挙動は、実利用においてときに大きな問題となる。たとえば、遷音速領域における翼型のフラッターは代表的なFSI課題の1つであるし、パラシュート展開とその空力減速挙動、織物で構成される柔軟エアロシェルにおけるFSIの役割は大きい。このような背景において、FSIの予測・評価手法の確立が望まれる状況である。
風洞はFSIの評価においても重要な装置であるが、気流の制限や支持装置などの存在により、適切な条件策定や実施が困難になる場合がある。また、流体と構造のスケール則をどのような取り扱うべきかも頭を悩ませる問題である。数値シミュレーションはこの点において制限が取り払われ、研究開発上の一定の役割も期待されている。しかし、物理モデル・解析モデルに起因する誤差や計算資源をどうするか、などの課題も無視することはできない。
Turek-Hronらによってなされた流体中の弾性フラップ挙動は、基本的なFSI解析モデルのベンチマークとして広く取り組まれている。低速領域や遷音速領域におけるデルタ翼リミットサイクル挙動なども数値解析によって調べられる課題である。そのほか、展開型空力減速機の柔軟エアロシェルと大気突入気流の相互作用について数値解析的手法を用いて明らかにした例や、パネルフラッターの不安定モードの挙動とリミットサイクルの数値解析例も具体的なFSI課題である。
近年では、オープンソースソフトウェア(OSS)を用いたFSIシミュレーションも実行可能になりつつある。本稿ではOSSによるFSIシミュレーションについて簡単に紹介する。FSIの対象としては広くベンチマークとして用いられているTurek-Hron FSIケースを採用した。
北海道大学 大学院工学研究院 准教授
高橋裕介
#養賢堂 #農業および園芸 #畜産の研究 #機械の研究

住所

本郷5丁目30−15
Bunkyo-ku, Tokyo
113-0033

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火曜日 10:00 - 16:00
水曜日 10:00 - 16:00
木曜日 10:00 - 16:00
金曜日 10:00 - 16:00

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