19/12/2023
トランプ元大統領の顧問弁護士だったルディ・ジュリアーニが、2020年のジョージア州での開票作業をめぐり、名誉毀損で訴えられた裁判の結果が出た。
これは、ジョージア州の黒人の母親と娘である選挙管理職員2人が、不正を行いトランプの勝利を覆したという虚偽の主張をジュリアーニが繰り返していたもの。ジュリアーニはこの2人が、バイデン支持の不正な投票用紙が詰まったスーツケースを投票会場の机の下に隠し、それを引っ張り出してバイデンを勝利させたという出鱈目な主張だった。
ジュリアーニやトランプ本人そして、他のトランプ支持者により、この主張は何度も繰り返され、この母と娘のところには生命の危機を感じさせる脅迫の電話や、人種差別的な発言電話が頻繁にかかってきたという。
これらの電話の中には「反逆罪で絞首刑かリンチを受けるべきだという者や、お前たちの首の骨が折れる音を聞くのが夢だという人々もいた」
「The women, who are Black and are mother and daughter, were soon flooded with expletive-laden phone calls and messages, threats, and racist attacks, they testified. People said they should be hanged for treason or lynched; others told them they fantasized about hearing the sound of their necks snapping.」
また、14歳の息子の携帯電話にもひっきりなしに脅迫の電話があったという。
この裁判は、すでにジュリアーニの有罪が確定していて、いくらの賠償金を支払うかの裁判だった。8人の陪審員の下した判断は懲罰的損害賠償として約7500万ドル、損害賠償として約3300万ドル、精神的苦痛に対し1人約2000万ドルとして、合計で1億4800万ドル(約210億円)を2人に支払うよう命じるものとなった。
ジュリアーニは破産を考えているようだが、弁護士たちによると今回のケースは「Intentional Tort(故意の不正行為)」であるため破産では逃れられないのではないかという意見だ。
また、ジュリアーニは控訴をする考えだと発言している。
ジュリアーニは、今回の相手側の弁護士費用のほか、以前にそれまでに自分を代理してきた弁護士事務所からの140万ドル、合衆国歳入庁(IRS)から税金の未払い55万ドルなどの支払いを要求されている。また彼は、2020年大統領選での敗北を覆そうとしたとされるジョージア州での選挙介入裁判でも訴えられている。
日本では、名誉毀損の損害賠償はこれほど高額にはならないが、アメリカの陪審員裁判では大きな代償を支払わせることがある。
と、ここまで書いたところで、ジュリアーニが裁判中および裁判後のインタビューの発言により、この母親と娘から再度訴えられたというニュースが入ってきた。懲りないのはエゴのなせる技か。
BJB編集部:タカシ
Ruby Freeman and Shaye Moss, wrongfully accused by Rudolph W. Giuliani of having tried to steal votes from Donald J. Trump in Georgia, were awarded the damages by a federal court in Washington.