20/12/2024
ただ、愛にふれる
学生の頃、「ボーイズ・ラブ(以降、BLと表記)」を読み
ながらラブソングを聞くのが夏休みの定番だった。それ
以来、BLとは人生のほとんどをともに過ごしたといって
も過言ではないくらい長い付き合いになる。私にとって
は数少ない癒やしであり、どんな精神安定剤よりも効く”
薬”のような存在だ。
子どもの頃から争いごとが嫌いで、たとえ自分とは関係
ない他人同士の口論でも、そばにいるだけで“かんしゃく”
を起こすほど不愉快だった。今改めて振り返ってみると
、BL作品を好むようになったのは、その当時から無意識
に「温かい関係性」を求めていたのかもしれない。実際
、恋人同士が心を通わせる光景は、見ているだけなのに
不思議と心が安らいだ。
彼らが互いに触れ、抱き合い笑っている。その姿だけで
も深い愛情が伝わってくる。同時に二人への愛おしさで
胸がいっぱいになるのだ。相手の幸せを願うあまり思い
悩む姿。複雑な過程を経て心が通じ合った瞬間の涙とハ
グ。穏やかな日常の風景。彼らの口にする言葉やしぐさの
ひとつひとつが、相手への思いと愛に満ちている。
誰かを好きになると、距離が近づくのはごく自然なこと
だ。しかしながら、距離が近づくたびに無欲ではいられ
なくなるのも人間というもの。近づきすぎれば傷つける
し、離れすぎれば寂しくてたまらなくなる。くっついて
は離れてまたくっついてを繰り返し、少しずつお互いが
心地よいと感じる距離感を見つけていく。愛し方はその
カップルごとにさまざまで、これが正解なんてものは何
一つないのだ。仮に恋愛を抜きにしても、安心できる距
離感は個人によっても違うわけで、よく考えれば何もお
かしい事はない。
その性別に関係なく、恋人同士が幸せで笑顔でいられる
世界というのは、単純にすてきだなと感じる。恋人たち
が幸福でいられるということは、その世界そのものが穏
やかである何よりの証だ。ヒトとヒトが心を通わせ、そ
の愛情の深さや温かさを純粋に感じられる。そんなBLが
、私は好きなのだ。
ながみね
山梨で生まれてから一度も県外に出たことがない人。『ザ
ツダン』というフリーペーパーを2ヶ月ごとにネットプ
リントで配布してます。(現在休止中)
興味関心だけで生きてます。
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