07/07/2024
約1年間、空襲で焼失した伊藤若冲作【釈迦十六羅漢図屏風】のデジタル修復作業をしていました。美術手帳や日曜日美術館などで特集されています。
https://bijutsutecho.com/magazine/news/report/29183
美術史家・山下裕二先生と東京藝術大学、凸版文化事業推進本部の皆様とともに調査研究と議論を重ねながら、このために特別に編成されたレタッチャー8名によるデジタル復元プロジェクトです。
岩絵具の粒子と膠の濃度による滲みと粒度分布、方形・小方形の濃度反転と胡粉の白の上の墨のかすれ、仏画表現上におけるお約束事などなど、ひたすらに試行錯誤と実験検証を繰り返しました。ちなみに枡目の数は12万個を超えています。
裏彩色の眼を見張るような超絶技巧とはまた別の、枡目描きの中に宇宙を込めたような、非常に前衛的な伊藤若冲に触れられます。伊藤若冲という超絶技法の画家と真正面から対峙した、とにかく悶絶しまくった1年間でした。。。
プロジェクトに関わった皆様の御名前は、記念写真とともにまた別途共有させていただきます。